地理統計院(IBGE)が25日、5月15日〆の広範囲消費者物価指数(IPCA―15)は前月比で0・44%上昇したと発表したと同日付現地サイトが報じた。IPCA―15はIPCAの先読み指標として使われる。
5月の数字は4月に記録した0・60%より小さいが、5月としては0・86%を記録した2016年以来の高さだ。また、直近12カ月間の累積は7・27%で、4月までの12カ月間の6・17%を上回った。4月と5月の数字はいずれも、政府の公式インフレ目標の上限である5・25%を上回っている。
5月のIPCA―15を押し上げた主要因は、2・31%上昇した電気代や1・45%上昇した台所用のガス代、平均で10・08%の価格調整が行われた医薬品だ。電気料金は雨不足で火力発電が増えた事を受け、今月1日から追加料金が高くなっている。
また、肉類が1・77%(1年間では35・68%)、トマトが7・24%などといった、家庭で使う食料品の値上がりも影響が大きい。果物が6・45%の値下がりを記録した事もあり、食料品や飲料全体では0・5%の値上がりに収まったが、4月は0・19%だった事を考えると、懐に響く。
24日に中銀が発表した経済動向調査「フォーカス」でも、今年のインフレ予想(IPCA)は5・15%から5・24%に上方修正された。IPCA予想は7週連続で上方修正されている。
インフレが高進している場合のブレーキ役の経済基本金利(Selic)は、年末時点で5・5%と予想されている。
★2021年5月12日《ブラジル》12カ月累積インフレ6・76%に=目標上限5・25%を大幅超過中
★2021年5月7日《ブラジル》中銀=Selicが年3・5%に=予告通り0・75%P引上げ=インフレ高進の抑制に必死