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《サンパウロ市》検察がガエル君の母親起訴=暴行殺害だが精神検査要請

検察がガエル君の母親起訴と報じる21日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ市中央部ベラ・ヴィスタ区のアパートで今月10日、3歳のガエル・デ・フレイタス・ヌネス君が意識不明の状態で見つかり、病院に運ばれたが助からなかった事件で、検察が母親のアンドレイア・フレイタス・デ・オリヴェイラ容疑者(37)を起訴したと21日付G1サイトなどが報じた。
 検察によると、ガエル君は首筋に手を当てられた形で口と鼻を塞がれて窒息状態となった後、頭蓋骨骨折を起こすほどの暴行を加えられて失神。救急隊員が現場と救急車の中で蘇生を図りつつ、病院に運んだが助からなかったという。
 事件当日、目覚めた直後のガエル君は祖母(73)と一緒にテレビを見ていたが、台所にいた母親のところに行った。祖母はガエル君がしばらく泣いているのを聞いたが、何かが壁にぶつかるような音が続いた後は泣き声が止まった事、しばらくしてガラスが割れる音がしたので様子を見に行った。
 そしたらガエル君が意識を失って床に倒れており、アンドレイア容疑者はガエル君が倒れていたのとは反対側の壁の前の椅子に茫然自失の状態で座っていた事などを証言している。

 アンドレイア容疑者の体にひっかき傷があった事などから、ガエル君の泣き声にいら立った容疑者が、同君を黙らせようとして口と鼻を塞いだため、苦しくなったガエル君が抵抗し、母親をひっかいた可能性がある。
 息子にひっかかれてカッとなった同容疑者は、自分を失い、ガエル君の頭を繰り返し壁に強打させ、脳損傷や頭蓋骨骨折を起こさせたようだ。
 アンドレイア容疑者は2012年に精神科医の世話になった事があり、弁護士は、本人は何も覚えていない事、清掃用の液体を飲んで自殺を図ったと見られる事などを明らかにしている。
 検察はアンドレイア容疑者を暴行や年少者の殺害などで起訴。それと共に、同容疑者に責任能力があるか否かを確認するため、精神鑑定を受けさせる事も求めている。

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