ブラジル国内の家屋販売は順調で、販売数は新記録を更新しているが、新築物件の提供数は減っていると24日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
建設業界のブラジル商工会議所(CBIC)が24日に発表したところによると、州都20市を含む全国150市での第1四半期(1~3月)の家屋販売は昨年同期比で27・1%増えた。12カ月間の販売数は20万7946軒だった。
だが、新規物件は昨年同期比で14・8%減った。12カ月間に提供された新規物件は16万8673軒だった。
需要が高まる中での新規物件減少は、建設資材の高騰が主要原因だ。建設資材の不足と価格上昇を現在抱える最大の問題とした企業主は、全体の57・1%に及んだ。この数字は、2015年の第1四半期に調査を開始して以来、最も高い。
ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)算出の全国建設コスト指数(INCC)は、4月までの12カ月間で12・9%上昇した。建設資材や建設工具などの価格は1年間で29・9%も値上がりしており、レアルが導入されて以来、最大の値上がりを記録した。
建設資材の高騰は、連邦政府の持ち家政策である「カーザ・ヴェルデ・エ・アマレラ」で扱う物件減少の主要原因だ。
CBICによると、資材高騰は同政策の融資対象となる物件の建設を困難にしており、他の領域の物件を手掛けるようになった業者もたくさんあるという。CBICは、連邦政府が輸入資材への関税引き下げや輸入障壁の撤廃などによる支援を行わない限り、同政策用の物件の継続的な提供は困難になると見ている。
新規物件の建設減少は雇用の減少にもつながっており、1月は4万4075人だった新規の正規雇用者が、3月は2万5020人に減っている。