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《ブラジル》コロナ禍CPI=9知事を新たに召喚へ=注目のパズエロや現保健相を再度証言=「影の委員会」も真相究明へ

26日のCPI(Edison Rodrigues)

 26日の上院でのコロナ禍議会調査委員会(CPI)では今後の召喚者の選定を行い、9人の知事と、エドゥアルド・パズエロ前保健相、マルセロ・ケイロガ保健相の召喚を決めた。26日付伯字サイトが報じている。
 今回の召喚者は、26日午前に持たれたCPIの会議で決まった。この会議には正委員だけでなく、補欠の委員も出席した。
 CPIが召喚を決めた知事は、連邦政府から送られた支援金の用途をめぐって、連警による不正疑惑の捜査が行われた自治体の長たちだ。召喚されることになったのは、ウィルソン・リマ(アマゾナス州)、エルデル・バルバーリョ(パラー州)、イバネイス・ロシャ(連邦直轄区)、マウロ・カルレッセ(トカンチンス州)、カルロス・モイゼス(サンタカタリーナ州)、アントニオ・オリヴェイロ・ガルシア・デ・アルメイダ(ロライマ州)、バルデス・ゴエス(アマパー州)、ウェリントン・ジアス(ピアウイ州)、マルコス・ジョゼ・ロシャ・ドス・サントス(ロンドニア州)の各知事と、4月に罷免された前リオ州知事のウィルソン・ヴィッツェル氏の9人だ。サンタカタリーナ州の場合は、ダニエラ・レイネル副知事も召喚される。
 オマール・アジス委員長は、現リオ州知事のクラウジオ・カストロ氏に関しては、「不正疑惑の捜査の対象となったときには知事ではなかったから」として、召喚しない意向を示した。

 知事の召喚を決めたのは、連邦政府支持派の委員たちからの要望で、「コロナ対策に関する知事たちの汚職も取り調べるべきだ」との声があがっていたためだ。連邦政府側の委員はジョアン・ドリア・サンパウロ州知事の召喚も求めたが、それは却下された。
 委員会はまた、エドゥアルド・パズエロ前保健相とマルセロ・ケイロガ保健相の再召喚も決めた。パズエロ氏は19、20日の証言の際に15項目で虚偽の証言を行ったとして問題視されていたのに加え、23日にボルソナロ大統領がリオ市で1万人規模のマスクなしのバイク行進デモを行った際に、やはりマスクなしで参加して問題となり、再召喚はさけられないものとなっていた。レナン報告官によれば、虚偽証言の数は、さらに増えている。
 さらに、パズエロ氏の元側近で保健省の広報担当だったマルコス・アルナウド氏、パズエロ氏の元右腕役で現在はロライマ州保健局長のアイルトン・カスカヴェル氏、任命からわずか10日で新型コロナ特別対策局長の職を辞したラウラ・アラウージョ氏の召喚も決まった。
 さらに、ボルソナロ大統領の元側近のアルトゥール・ウェイントラウビ氏と大統領府国際問題補佐官のフィリペ・マルチンス氏、企業家のカルロス・ウィザルジ氏の召喚も決まった。彼らは、ボルソナロ大統領が保健省スタッフと別に招集し、現政権の保健政策にも影響を与えていたとされる「影の委員会」について尋ねられることが予想されている。
 CPIの委員たちは、連邦医師審議会(CFM)、コロナバックの製造元の中国のシノバック社、オックスフォード・ワクチンのアストラ・ゼネカ社の子会社のウクシ・バイオロジックス社からも情報提供を求めていくことや、クロロキンの使用に関し、賛成派と反対派の専門家を呼んでディベートを行わせることなども決めている。