地理統計院(IBGE)が27日、全国家庭サンプル調査(PNAD)によると、第1四半期(1―3月)の失業率は前期比で0・8%ポイント増の14・7%で、求職中の人は1480万人と発表したと同日付現地サイトが報じた。
第1四半期の失業率は例年、前年第4四半期より高くなる。これは歳末商戦に向けた短期採用者が解雇されるためで、失業者は88万人増えた。
IBGEのアドリアナ・ベリングイ氏は季節的な要因を認めつつ、第1四半期の失業率と失業者は共に、PNADが始まった2012年以来の最大値だと述べた。昨年の第1四半期の失業率は12・2%だった。
IBGEによると、就業者は8570万人で、昨年第4四半期並みの水準だが、15~64歳の生産年齢人口に占める割合は0・5%ポイント下がり、48・4%となった。就労者が生産年齢人口の半数を割る状態は昨年5月から続いている。
生産年齢人口に占める就労者の割合低下は新型コロナのパンデミックによる経済活動の落ち込みが原因で、パンデミック前だった昨年第1四半期と比べた就労者数は660万人減少している。
第1四半期の非正規雇用者は前期比で29万4千人(2・9%)減の970万人、公務員は17・1%減の190万人となった。唯一増えたのは、前期比で56万5千人(2・4%)増えて2380万人となった自営業だけだという。
正規雇用者をみると、民間企業の従業員は2960万人で安定しているが、1年前より350万人(10・7%)減った。家庭内労働者は490万人で、昨年同期比で100万人減った。
民間企業などの法人に公布される全国法人登録台帳(CNPJ)の納税者番号を持つ雇用主は300万人で、2015年の統計開始以来、最少となった。非正規雇用者は3400万人で、非正規雇用率39・6%は前期の39・5%とほぼ同率だ。非正規雇用者には、民間企業の従業員や家庭内労働者だが労働者手帳に登録されていない人、CNPJを持たない企業家、給与所得のない労働者が含まれる。
昨年同期より就労者が増えたのは農林水産業の4%増のみだ。その他の分野は、次の%で軒並み減少した。商業や車やバイクの修理9・4%、宿泊業やレストランなどの食産業26・1%、家庭内労働17・3%、その他のサービス18・6%、工業一般7・7%、運輸・保管・郵便11・1%、建設関係5・7%。
本来の力が使われていない労働者は3320万人で、120万人(3・7%)増えた。内訳は、働いていない1480万人、希望する時間働けていない700万人、能力に見合う仕事に就けていない1130万だ。
他方、求職を諦めた人は600万人で前期並みだが、昨年同期比では25・1%増え、統計開始以来、最高の状態のままだ。労働市場からはみ出した状態の人は計7650万人で、昨年同期比で13・7%増加。労働の意思と労働可能な能力を持つ15歳以上の労働力人口は1億50万人だ。
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