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《ブラジル》ボルソナロに「所属政党早く決めて」=支持政治家らが圧力

13日、アラゴアス州の運河の開所式に出席したボルソナロ大統領(Foto: Alan Santos/PR)

 次の選挙が来年に迫ってきているのに、選挙に向けた準備ができない事態が起こりつつあるとして、大統領支持派の政治家たちの間で、ボルソナロ大統領に所属政党を早急に決めることを求める声が強まりつつあると、27日付フォーリャ紙などが報じている。
 ボルソナロ大統領は19年11月に自分の政党「アリアンサ・ペロ・ブラジル」を立ち上げることを宣言した。だが、当初は2020年の全国市長選に間に合わせるつもりだったが間に合わず、現在も政党承認に必要な約49万人も署名が集まる見通しはない。現時点で集まっている署名は10万筆にも満たない状態で、22年の大統領選には間に合いそうもない。
 このため、大統領は早急に所属政党を決めねばならず、数カ月前から様々な政党と交渉を行っているが、まだめどが立っていない。こうした状況に困り始めているのは、ボルソナロ氏を支持している政治家も同じだ。
 とりわけ、18年の選挙で社会自由党(PSL)から出馬して当選した下議たちにとっては、深刻な問題だ。彼らはこのときの選挙でボルソナロ氏と同じPSLを選んだが、大統領がすぐに離党。「大統領の新党正式承認」のタイミングで移籍をするつもりだったが、それができないままでいる。この中には、大統領三男のエドゥアルド下議も含まれている。

 そんな中、26日に大統領長男のフラヴィオ上議が所属の共和者(RP)を離党したことで、下議たちからの大統領へのプレッシャーがより高まった。この動きにより、大統領が新しい所属先を本格的に決めることが期待されたためだ。フラヴィオ氏はアリアンサ結党宣言の際、父と共にPSLを離党したが、結党のめどが立たないため、RPに籍を置いていた。
 大統領の次の所属党から出馬して再選を狙いたい下議たちは、所属政党を早く決めないことには自分の選挙区での具体的な戦略が立てられないため、対立候補に差をつけられることを恐れているという。
 ボルソナロ氏自身も新所属政党の模索は報じられているが、これまでに名前が挙がっていた、パトリオッタ、ブラジル労働党(PTB)、労働者刷新党(PRTB)との交渉はうまくいかず、以前に所属した進歩党(PP)への復帰が噂されている。
 ボルソナロ氏は今年に入ってから、様々なプロジェクトの落成式などに積極的に参加。中には、すでに軍が落成式を行った橋の落成式をもう一度行うなど、選挙戦や支持率回復を念頭にしているとしか思えないものもあり、国民の評価は日毎に厳しくなっている。