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《ブラジル》第1四半期にGDPが1・2%成長=感染第2波が進む中でも=庶民の実感とは程遠く

前四半期と比較したGDPの推移を示すグラフ(1日付G1サイトの記事の一部)

 地理統計院(IBGE)が1日、第1四半期(第1Q)の国内総生産(GDP)は1・2%成長し、パンデミック前の水準に回復と発表と同日付現地サイトが報じた。
 この数字は20年第4四半期(前期)比のもので、第1QのGDPは2兆480億レアルだった。昨年同期比では1%増え、コロナ禍で初の昨年同期増となった。
 第1Qは感染第2波が顕著になり、外出規制の再強化も行われていただけに、1・2%成長との発表は市場関係者を驚かせた。国内55の金融機関の予想は、前期比で0・7%、昨年同期比では0・5%増だった。
 マナウス市での医療崩壊や感染力の強いP1変異株確認、3月の新規感染者や死者が新記録を更新といった情報は市場関係者を不安に駆らせ、4月には、第1Qが新たなリセッション(景気後退)の始まりとなる可能性への懸念や、GDPの成長率は年3%程度との予測も出ていた。
 だが、第1Qの経済活動が予想された程、パンデミックの影響を受けていない事から、今年のGDPは4%以上成長する可能性があるとの見方も出始めた。ゲデス経済相に至っては、4・5~5%の成長の可能性もありと見ている。
 GDPを牽引した部門と成長率は、農牧業5・7%、工業0・7%、サービス業0・4%だ。農牧業の成長は国際的なコモディティ価格の上昇と需要の増加、大豆などの増産が後押しした。
 工業は、コモディティ価格上昇と需要増加を受けた鉱業の3・2%や、建設の2・1%、電気・ガス・上下水道などの0・9%が牽引。だが、原材料不足などで生産停止も起きた製造業は0・5%減った。

 サービス業は運輸・保管・郵便の3・6%や金融・保険1・7%、情報・通信1・4%、商業1・2%、不動産1・0%と、軒並み成長したが、経営、保健、公共教育は0・6%減った。
 他方、リーマンショックなどの経済危機時に経済を牽引した家庭消費は0・8%、公共支出は0・8%減少。家庭消費の減少は、失業率の上昇や物価上昇、緊急支援金の支給開始の遅れなどからも予想されていた。
 失業率上昇や物価高による購買力低下は、牛肉の消費が減り、鶏肉や豚肉の消費が増えた事などにも表れた。鶏肉や卵などの値上がりに不満を感じる消費者も多く、GDPが1・2%成長との報道を疑う人もいる。昨年同期比での家庭消費は1・7%減っている。
 投資の4・6%増や輸出の3・7%増、輸入の11・6%増も目立つ。第1Qの投資はGDPの19・4%で、昨年同期の15・9%から急増した。貯蓄預金(ポウパンサ)も13・4%から20・6%に増えた。投資や貯蓄の増加は金融システムにも嬉しい結果だ。
 輸出増は鉄鉱石などの鉱物と食糧、車が牽引。輸入ではワクチン製造用の有効成分(IFA)や機械・機器類、金属製品の扱いが増えている。
 第1QのGDPが予想を上回る成長を遂げた事を受け、連邦政府内では「経済は強い回復基調」「政策の正しさ証明」との声が出ているが、国民の購買力強化や雇用創出は今後の課題だ。

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