新型コロナのパンデミックのため、保健局職員らの訪問、監視活動にも影響が出ている自治体が多いにも関わらず、連邦直轄区ではデング熱患者の数が昨年同期比で8割減ったと7日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同区保健局によると、1月3日から5月20日の間に登録された患者の数は7058人で、昨年同期の3万5080人と比べると80%少ない。
同区政府は、このような急激な減少は、様々な地区がデング熱の予防や撲滅に取り組んだ結果だとしている。
同区保健局によると、同区では、感染リスクや患者の発生率が高い地区に焦点を当てた取り組みが行われてきたという。これらの対策には、家庭訪問や、ボウフラや蚊の発生が懸念される場所の封鎖、殺虫剤の散布などが含まれている。
デング熱は蚊が媒介するため、雨が少なくなる5月以降は発生が抑えられるが、同区保健局は、デング熱対策は継続的に行う事が必要として、雨が少ない時期も、家の周囲や公共の場所の溜まり水を減らすよう呼びかけたりする、啓もう活動を続ける意向だ。
デング熱への取り組みは感染の再爆発が起きた今年の方が難しいとも思われたが、サンパウロ州のリベイロン・プレット市のように、今年に入ってからの患者数は255人で、昨年同期の1万7343人と比べると98・5%も減ったというところもある。同市の場合は、疑似症患者の報告数も2万4259人から2357人にと、90・28%減少している。
サンパウロ総合大学リベイロン・プレット校医学部のアマウリー・レリス・ダル・ファブロ教授は、デング熱が大流行した翌年は、抗体ができた人が増えるため、感染者が減る傾向にあるとしつつ、報告や登録が漏れている例もある可能性や、1~4型のどれが流行しているかによって、患者発生数にも変化が起こり得る事を指摘し、警戒を怠らないよう呼びかけている。
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