「役員会はオンライン開催していましたが、みんな顔が見たいと想いから、2度3度延期となりましたが今回ようやく対面で開催できました」――聖州イビウナ市で開催された聖南西文化体育連盟(UCES)の定期総会後、そう、山村敏明会長は経緯を語った。通常ならば1月に開催だった同連盟の定期総会はコロナ禍による延期が続いていたが、念願叶い、5月29日にイビウナ文化協会会館で開催され、15カ月ぶりに約35人が対面で参加した。
2020年度の事業報告によると、2月のピエダーデの喉自慢大会までが通常開催。3月23日から州政府がパンデミックのために外出自粛要請を開始したため、イベントが組めなくなり、定例役員会などの会議や聖南西70年記念誌委員会の多くはオンライン実施となっていた。年費の徴収も無しとなった。
山村会長が「このコロナ禍で日本祭りも大きなイベントも無いですが、収入を得られる催しは出来ていますか?」と尋ねると、多くの文協でイベントが開催不能になっている中、レジストロの仏教婦人会では毎月料理販売イベントを実施していることが報告された。
同地はJICAボランティア料理隊員の田中久美子さんが派遣されていた。同氏赴任中に多くの日本料理を習得して商品開発を行ってきた強みを活かしている。今月にはちゃんぽんの販売を行うという。
また、オンライン定例会議で以前から申請を呼びかけていた「JICA助成金」申請について各協会の報告も行われた。多くは各協会が運営する日本語学校の教師の給与支払いやオンライン授業への整備等のために申請中と報告している。
その中でピラール・ド・スール文協ではすでに申請を終え、既に助成金も受領。教師への支払い他、オンライン授業への環境を整えた。
このほか、アヴァレー文化体育協会の正式脱退が決定。山村会長は「距離も遠く、クラブ式になってから、長い間連絡が取れず付き合いが無くなっていた」と経緯を説明した。
定例会には天野鉄人さんも出席。昨年6月に、天野重知(しげのり)平成学院の新校舎増築のため、聖南西の資金から60万レアルを借用し、返済期日が6月10日に控えていた。コロナ禍と日本のオリンピック開催の諸事情が重なり、同氏の日本帰国が8月頃に伸びた事から返済期日の3カ月延長を要請した。
総会後、古川シルヴィオ副会長に取材すると、「各協会がコロナ禍にどう収入を得ているか心配でした。あまり動けていない様子でしたが、なんとかなっているようだ」と胸をなでおろしていた。