「コロナ禍でも色々な人がモジの食材が詰まったすき焼きセットを買ってくれて本当に嬉しい!」――津田フランキ会長は「第3回ドライブスルーすき焼き祭り」でそう笑顔で答えた。同イベントは、5月29日にモジ・ダス・クルーゼス文化協会で行われ、1セット4人分入り「すき焼きセット」が約250セット(1千食分)販売され、大盛況に終わった。
移住初期から多くの日本人移民が入植し、一昨年には「入植100周年」を迎えたモジ市だが、他日系団体と同様に継続するコロナ災禍により大々的なイベントを控えている。モジ文協は昨年からコロナ禍でも開催可能な同イベントの3回目を迎え、他には「ドライブスルーコステラ販売」や「ドライブイン・シアター」などを行っているという。
当日は、モジ文協やモジ中央日本人会(池田篤会長)など約25人程のスタッフが早朝6時から集まり、イベントに向けた販売品の詰め合わせなどの準備を行った。
17時から同会館前の駐車場に車が順番に入り、津田会長率いるスタッフが事前予約した人の車に、次々と「すき焼きセット」を運んでいくドライブスルー販売が行われた。
津田会長は汗を拭いながら、「車越しであっても買ってもらった人の顔を見る事ができて嬉しさと感謝がこみ上げてくる」と笑みを浮かべた。
当日は、モジ文協評議会会長の松本茂氏(73歳・三重県)も来場。「このすき焼きセットに入っている野菜は全てモジの農場で取れたもの。また卵や牛肉、豆腐なども文協やモジ中央日本人会の繋がりで良質なものを安価に手に入れることができるんです。また、今の津田会長やその周りの人は自ら率先して動く人たちで頭が下がる。この繋がりと団結力がモジ文協とここの日系団体の宝です」と語る。
コロナ禍以前を次のように回顧した。「以前はモジ中央日本人会のイベントを、この文協講堂で月に3回程行い、とても賑やかでした。すき焼きも本来なら講堂で鍋を用意して、皆で夜10時頃まで宴会のようにして食べるんです。その傍ら舞台でカラオケや太鼓、ダンスなどの催し物が行われ、それが一層盛り上がる」と懐かしそうに振り返り、「今はこういう時期だから大々的なイベントは難しいけど、この災禍が終わって以前のように盛り上がるイベントができれば本当に嬉しい」と待ち遠しそうに述べた。