リオ市市役所が、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)の協力を得て、パケター島在住で新型コロナのワクチン接種をまだ受けていない18歳以上の人に、一斉接種を行う事を決め、20日に実施すると7日付G1サイトなどが報じた。
パケター島には、家族単位での予防医療を目指す「サウデ・ダ・ファミリア」に登録されている人が約4100人いる。リオ市保健局によると、この内の約半数はワクチン接種を受けているが、18歳以上の未接種者約1800人への一斉接種を行う事になった。
これは、サンパウロ州セラーナ市で行った実験的な一斉接種に倣ったもので、ワクチンの安全性と一斉接種を行う事の効用を確認するのが目的だという。
ブラジルではまだ、18歳未満の年少者に対するワクチン接種は行われていないため、同島での一斉接種では、18歳以上の人への接種が進む事である程度の集団免疫ができれば、18歳未満の人への感染を防ぎ得るかや、初回の接種だけで感染を防ぎ得るのか、2度の接種を行わなければ効果はないのかなどを確認する予定だという。
新型コロナワクチンの一斉接種は、ブタンタン研究所がコロナバックを使って行ったサンパウロ州セラーナ市の例が第1号だ。
セラーナ市では、成人人口の95・7%にあたる2万7160人を四つのグループに分けた上、3~4月にワクチン接種を実施。対象者の75%が2度目の接種を受けた頃から、目に見える形の成果が出始めた。5月末に明らかにされたところによれば、2度目の接種を受けた人達の間では、自覚症状のある患者の発生が80%減り、死者は95%減った。
サンパウロ州ではボツカツ市でも、Fiocruzがオックス・フォードワクチンを使った実験的な一斉接種を行う事になっているが、同市での一斉接種に関する報告はまだ出ていない。
★2021年6月1日《サンパウロ州》集団接種で死者が95%も激減=セラーナ市の実験で効果歴然=周囲では感染増が続く中
★2021年4月30日《サンパウロ州》ボツカツ市で実験的一斉接種=今度はOxfordワクチンで