国民の大半がコロナ禍を理由に開催を反対する中、ブラジル開催のサッカーのコパ・アメリカが低調にはじまった。14日付現地紙などが報じている。
コロナ第3波が恐れられる中でのブラジルでのコパ・アメリカ開催に、国民は強い反発を示している。11日にXPインヴェスチメントスが行った世論調査では、国民の64%が開催に反対。賛成派は反対派の半分にも満たない29%に過ぎない。
13日はブラジル代表(セレソン)の開幕カードで幕を開けたが、試合開始前には、会場となったブラジリアのマネ・ガリンシャ・スタジアムや、ブラジリアの別会場のエイショ・モニュメンタル・スタジアムの前でデモが行われた。
同杯の開催スタジアムのひとつでコロンビア対エクアドル戦が行われた、マット・グロッソ州クイアバーのパンタナル・スタジアムでもデモが行われている。
開幕戦でのセレソンの対戦相手であるベネズエラが11日の時点で、選手、関係者など合わせて13人にコロナ陽性反応が出るなど、早くも混乱を予想させる展開となっている。
今回の大会では選手のコロナ感染への懸念から、各代表に対し、最大60人までの出場登録可能な選手を用意させている。
その開幕戦においてセレソンは、急きょ呼び寄せた15人の選手の一部を投入など、戦力調整に苦しむベネズエラを終始圧倒。前半23分にマルキーニョス、後半19分にネイマールのPK、44分にガビゴールのゴールの計3得点を決め、3―0で快勝した。
この日の開幕戦は最大手のグローボ局でなく、SBT局放送であることも話題を呼んだ。同局はかねてからボルソナロ大統領寄りの局で知られ、社主のシルヴィオ・サントス氏の娘婿のファビオ・ファリア氏は、ボルソナロ政権の通信相だ。
開幕戦のスポンサーにはスーパーのアヴァンやハンバーガー・チェーンのマデーロなど、社長が熱心なボルソナロ大統領支持派で知られる企業がついた。
だが、この開幕戦は試合中に一度もグローボ局の裏番組の視聴率を抜くことはなく、コパ・アメリカ中継の歴代最低を記録した。
セレソンの次戦は17日、リオのニウトン・サントス・スタジアムでの対ペルー戦となる。
なお、選手やスタッフのコロナ感染が確認されたのはベネズエラだけではなく、ボリビアが12日に選手3人とスタッフ1人の感染を発表。コロンビアもスタッフ2人の感染が判明した。
14日には、17日にブラジルと対戦するペルーでも、スタッフ1人の感染が明らかになり、感染者は計20人となった。感染が判明した選手やスタッフは、PCR検査が陰性になるまで、ブラジルで隔離状態に置かれることになっている。
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