ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》半量のワクチンでも有効か=ヴィアナ市で実験接種始まる

《ブラジル》半量のワクチンでも有効か=ヴィアナ市で実験接種始まる

実験に使われるオックスフォードワクチン(Fundacao Oswardo Cruz)

 ブラジル南東部のエスピリトサント州ヴィアナ市で13日、ボランティアによるオックスフォードワクチンの実験的接種が始まったと13日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 このプロジェクトは、ワクチンを半量にしても新型コロナへの抗体ができ、感染や重症化を防ぐ事ができるかを調べるためのものだ。同市人口は7万9千人で、国の予防接種計画(PNI)の優先接種対象外で、まだワクチン接種を受けていない18~49歳の市民約3万5千人に接種を行う予定だ。
 初日の13日は午後5時までに対象者の85%(2万9千人)への接種をと望まれていたが、12日までに参加登録を終えた人は1万6千人で、242人は12日の内に半量接種を受けた。市長のヴァンデルソン・ブエノ氏は「登録を済ませていなくても予防接種は受けられる」と呼びかけたが、13日に接種を受けに来た人は1万4千人のみだった。
 「ヴィアナ・ヴァシナダ計画」と銘打ったプロジェクトは、エスピリトサント連邦大学付属病院とオズワルド・クルス財団(Fiocruz)の協賛で、保健省や汎米保健機関(Opas)が後援者となっている。

 同プロジェクトでは、通常の量を使うと一斉接種を行うにはワクチンが足りない場合、1人あたりのワクチン量を半分にしても抗体ができるか、感染者や入院患者、死者の数を減らしたりできるかなどを調べる意向だ。
 このプロジェクトがうまくいき、たとえ半量であっても、集団接種ができれば感染拡大を抑制できるという事を確かめられれば、ワクチンの量が足りないから一斉接種ができないと考えている国やコミュニティには朗報となる。
 半量接種が有効である事は、黄熱病が流行した時に行われた治験などで実証済みだ。ブラジルやアフリカは当時、ワクチンの絶対量不足に陥っていたが、半量接種によって流行が抑えられ、多くの人の命が救われた。
 今回のプロジェクトに参加するボランティアへのワクチン接種は、同市内35地区にある174の投票所を利用して行われる。初回接種と2回目の接種の間隔は90日の予定だ。
 一斉接種の有効性を問う実験は、サンパウロ州セラーナ市(コロナバック)やボツカツ市(オックスフォードワクチン)の他、リオ市のパケター島(オックスフォードワクチン)で行われているが、半量接種の実験は初めてだ。

★2021年6月1日《サンパウロ州》集団接種で死者が95%も激減=セラーナ市の実験で効果歴然=周囲では感染増が続く中
★2021年4月30日《サンパウロ州》ボツカツ市で実験的一斉接種=今度はOxfordワクチンで
★2021年6月11日《リオ市》パケター島でコロナの一斉接種=18歳以上の人に20日に