6月18日の移民の日に、「移民の日特別号」が発刊されることを心からお祝い申し上げます。
世界ではまだ、新型コロナが猛威を振るっており、ブラジルでも多くの犠牲者が出ていると承知しております。亡くなられた方々、御遺族の皆様に謹んでお悔やみを申し上げます。また、感染された方々、後遺症に悩まされている方々が一日も早く快復に向かうことを願っております。
今から113年前の6月18日、長い航海の末にサントス港に到着した日本人移住者の方々は、様々な苦難を経て、ブラジルに根付き、生活をしていく道を切り開かれました。また、移住者の弛まぬ努力の精神を引き継がれた日系人の方々は、ブラジル社会において確固たる地位を築かれました。日系人の皆様がブラジルの様々な分野で活躍されていることを誇らしく思うとともに、改めて敬意を表します。
日本は、ブラジルとの関係強化を重視しています。本年1月には、日本の外務大臣としては約3年ぶりにブラジルを訪問しました。ボルソナーロ大統領への表敬やアラウージョ前外相との会談では、日本とブラジルの関係を一層強化していくことや新型コロナ対策で連携することを確認しました。
日本とブラジルの歴史的な友好関係は、日系社会という特別な繋がりによって支えられています。本年のブラジル訪問時には、新型コロナの影響で日系社会の皆様にお目にかかることはかないませんでしたが、日本政府は、両国の架け橋である日系社会との関係を引き続き重視しています。
今般、日本政府は、新型コロナの影響を受けた日系の医療・福祉施設等への支援を決定しました。今後も、日系社会の皆様が少しでも早く日常に戻るために協力していきます。また、例えば日系社会でのオンラインでのイベントの支援等、特に若い世代の日系人との連携を強化するために、様々な施策を実施していく考えです。
最後に、ブラジル日系社会が、先人たちの築き上げた信頼やネットワークを受け継ぎつつ、更なる発展を達成されること、そして日本人移住者と日系人の皆様の御多幸を祈念し、私からの挨拶とさせていただきます。