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【日本移民の日2021年】「日本人移住の日」を祝して=駐ブラジル日本国特命全権大使  山田 彰

山田大使(駐ブラジル日本国大使館提供)

 6月18日「日本人移住の日」を迎えるにあたり、全ブラジルの日本人移住者・日系人の皆さまに心よりお祝いを申し上げます。
 1908年に笠戸丸に乗った日本人移住者がブラジルに到着して以来、日本人移住者・日系人の皆様がブラジルにおいて、数々のご苦労を経験しながら、努力と忍耐を重ね、ブラジルの発展に貢献し、ブラジル社会の信頼を勝ち得てきたことに改めて敬意を表します。ブラジルにおける日系社会への信頼が、日本への信頼、好感につながっており、日系社会の存在が日本とブラジルの友好協力関係の基礎となっています。また、今日においては、日系社会の皆様が、日本の文化や伝統、価値観を継承し、ブラジル社会に広く普及していることも重要です。
 私はブラジル着任後4年近くになりますが、できるだけ日系社会の皆様と直接交流し、意見を交換したいと考えてきました。しかし、この一年余り、新型コロナの影響で、各地を訪問し、皆様と対面でお会いすることができませんでした。
 こうした困難な状況の中でも、各地の日系団体は工夫を凝らし、新たな取り組みとしてオンラインによりセミナー、日本祭り、盆踊りなど様々なイベントを企画、開催しました。私自身、多くのイベントに参加して、皆さんと画面越しでお会いして、日系社会の熱意に触れることができ、感銘を受けました。若い世代の日系人の皆さんが、こうした取り組みの中で大いに活躍し、地域、国境を超えてネットワークを広げていることも嬉しく思っています。
 さらに、コロナ禍がブラジル社会にもたらした困難を乗り越えるための助け合いに日系社会が率先して取り組んでいることにも敬意を表します。
 日本政府は、新型コロナの影響を受けた日系社会への支援を決定しています。これが日系社会の助けとなり、役に立つように、大使館・総領事館・領事事務所は、各日系団体と連携を深めて支援の具体化に尽力してまいります。
 ブラジルを含む中南米の日系社会との連携、協力を強化すること、それを通じて日本と中南米の関係を発展させることは、私が外交官になってからずっと考え続けてきたことです。これからも日系社会の発展のためにできる限りの協力を行っていきたいと考えています。
 日本人移住者と日系人の皆様のますますのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。