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日本移民113年法要=仏連、人の繋がりの尊さ説く=先人の苦労と血を受け継ぐ子孫「全ての物は繋がりの中に存在」

ブラジル内の7宗派が読経をあげる様子

ブラジル内の7宗派が読経をあげる様子

 「時代が変わり、ブラジル社会に溶け込んでいっても、先人の苦労と血がいつまでも自分の体に受け継がれていることを忘れてはいけません」――ブラジル日本移民の日の18日午前10時から行われた第113回開拓先亡者追悼大法要の締めくくりに、ブラジル仏教連合会の高崎扇忠会長はそう語りかけ、「その心を受け継いだからこそ、ブラジル社会の中で誇り自信をもって活動することができるのです」と粛々と説いた。


 この開拓先亡者追悼大法要は、ブラジル日本文化福祉協会(文協、石川レナト会長)、ブラジル日本都道府県人会連合会(県連、市川利雄会長)、ブラジル仏教連合会(高崎扇忠会長)が共催。文協ユーチューブ上で日本語・ポルトガル語字幕付きで公開された。
 ブラジル内の7宗派代表が読経を行い、開拓先亡者と共にコロナ禍で亡くなった多くの人にも追悼が捧げられた。

高崎仏連会長

高崎仏連会長

 高崎会長は「毎年この法要を勤める意味は、開拓先亡者が命懸けで子孫に日本人としての心の財産を伝えようとしてきた尽力に対して、心よりの感謝と畏敬の念を捧げるもの」と説明する。
 開会の挨拶で塚本智光前仏連会長は、釈尊の「全ての物は繋がりの中で存在する」という因縁生起の悟りを前置きし、「共に支え、命を全うした先達の歴史を伝える事で、仏様の教えを称え、人と人との繋がりを確かめ、その尊さを伝えていける大切なご縁となるよう念じます」と人の繋がりの大切さを説いた。
 文協の石川会長は、日系社会がブラジルの成長と発展に貢献するまでに至ったのは、「先人達が苦難に負けず生きてきた賜物と、『何事にも誠実さを持つ』という受け継いだ信念による」とし、「先人の教えを次世代の若者に継承するべく努力していく」との意気込みを語った。
 市川県連会長は「移民の日に際し、ブラジル社会に貢献した先達や子弟の功績に想いを寄せたいと思います。私達に残された大切な遺産に感謝し、力強いブラジル社会の一員として誇りに思います」とあいさつした。
 桑名良輔在聖日本国総領事は「様々な分野で活躍する日系社会が今日の日伯関係の礎となった」と寄せ、江口雅之JICAブラジル事務所長も「JICAは先人が築いた信頼を元に活動している」と両氏先達への功績を讃えつつ、日系社会と共に日伯関係友好に寄与していくと述べた。
 税田パウロ清七サンパウロ日伯援護協会会長も出演し、開催に感謝を寄せると共に、「現在の日系社会の繁栄と私達の幸せは先人の努力の証です」と日・ポ語両方で挨拶した。
 法要後、高崎会長は「オンライン開催によりブラジルの様々な地域、そして他国にも、この地で活躍した先達日本移民の感謝と尊敬を共有することができたのでは」とメリットを語る。
 続けて「先達からの助け合いの心を常に持つことの大切さを過去から現在に伝える事ができました。いつの時代も、この精神は大事ですが、このコロナ禍で助け合いの重要性は高まっている」と頷く。
 仏連ではパンデミックが始まって以来、感染予防ガイドラインに従い活動を続け、感染者のために祈りを捧げ、日系団体への寄付を行う等もしてきた。
 高崎会長は「各人が自分の役割を果たすことが、社会におけるお互いの苦しみを和らげる最善策だと信じています。私達は社会にそうであって欲しいと望み、仏壇の前で毎日祈っています」との胸中を語った。
 法要動画(https://www.youtube.com/watch?v=Gb0y5gpeJ3E)は配信後も残っており、いつでも視聴可能。