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《ブラジル》インフレ圧力あるも経済回復=中銀通貨政策委員会の議事録で

中銀が経済回復を評価していると報じる22日付メトロポリス・サイトの記事の一部

 中銀の通貨政策委員会(Copom)が22日、16日の委員会で経済基本金利(Selic)を0・75%ポイント引き上げた際、経済が予想以上に回復している事を認めたなどと記した議事録を公表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
 16日の委員会では、年3・5%だったSelicが年4・25%に引き上げられた。今回の引き上げは前回会議後に示唆されていたもので、引き上げ幅も事前に示された通りだった。
 Selic引き上げは中銀のインフレ抑制策の一つで、直近12カ月間のインフレが政府の目標上限以上の8・06%に達している事が引き上げの直接的な原因となっている。
 議事録では、供給条件の正常化や需要回復の遅れ、水危機に伴う電気代調整、為替の動向などが短期的なインフレ要因となっている事や、インフレ抑制に手間取っている事を認めている。

 だが、それと同時に、景気回復は予想を上回っているとの見解を表明。経済回復に関するリスクは目に見えるほど軽減しており、今年後半の経済活動はさらに回復するとの見通しも記している。
 また、一部の先進国の財政、金融刺激策が経済活動の力強い回復を促進した事や、毎週の経済動向予想調査が、年末の為替を1ドル=5・052レアル、今年のインフレは5・8%で来年は3・5%と予想している事に加え、価格管理を行っている物品のインフレ率が今年は9・7%、来年は5・1%と予想されている事にも言及。8月3~4日の会議で今回と同率のSelic引き上げを行う意向も示唆した。