「お客様全員が『幸せ』になるような接客と、美味しい味噌ラーメンを提供したい。その思いを胸に精一杯真心を込めて営業します」――「味噌屋(MISOYA)」ブラジル支店代表取締役の井川マルシオ幸二さん(三世・41歳)は、そう意気込みを語る。
サンパウロ市屈指のビジネス街パウリスタ大通りにほど近い、レストランやバーが多く集まる繁華街コンソラソンに、味噌ラーメン専門店「味噌屋(MISOYA)ブラジル支店」(Rua Antônio Carlos 324, Consolação)が24日にオープンする。
これは「株式会社トライ・インターナショナル」(本社=千葉県千葉市所在)の海外店舗名。日本に127店舗、世界に16店舗(2020年時点)の味噌ラーメン専門店を展開する。日本国内では「蔵出し味噌麺場 田所商店」の名前で全国展開している。今回の出店は初の南米直営店となる。
味噌や麺は全て国外から自社製品を輸入。井川さんは「野菜や卵、チャーシューなどはブラジル産ですが、ベースとなる味噌や麺は全て自社。ブラジルで日本と同じものが食べられるようこだわっています」と語る。
味噌ラーメンを注文時、日本全国20種類の味噌から好みのものを選べる。同ブラジル支店では常時4種類ずつの味噌を用意。これは定期的に変わるため、何度も来店すると20種類の味噌をブラジルでも楽しめる。
営業始めは「北海道味噌」「信州味噌」「江戸味噌」「九州味噌」の4種。これから一種選び「ラーメン」「炙りチャーシュー麺」「肉ネギラーメン」「野菜ラーメン」のどれかを注文する。
辛味を強調した「辛味噌ラーメン」に加え、「味噌唐揚げ丼」や甘辛く味付けしたひき肉をご飯の上にのせた「ジャー丼」「チャーシュー丼」「チャーハン」など約30種類のメニューがある。
井川さんは、日系三世でリオ州出身。20歳の時に長野県にデカセギとして訪日。2年後、長野県で中古自動車販売会社を起業し3年程営んだ。そこで儲けたお金を持って帰伯。リオで新規事業を行うも失敗。
その後、日本の物流会社に入社。当初は3年程日本で研修した後、ミナス・ジェライス州の同社支店で働く予定だったが、会社の希望で10年に千葉県木更津市で勤務した。
その時、この味噌ラーメンに出会い感銘を受けた。「田所商店の味噌ラーメンを食べた時、本当に美味しくて驚いたことを今でも覚えています。その時『この味噌ラーメンを絶対にブラジルに持って帰る』と決意しましたね。それから紆余曲折ありましたが、多くの方のご協力で今回出店することができました」と懐古する。
そして「ブラジルにいても日本を感じることができる『本格味噌ラーメン』と『日本のおもてなし』をぜひ当店で体感してください!」と呼びかけた。
現在はサンパウロ州政府の外出自粛令に伴い11時~21時までの営業。定休日は無し、年中無休で営業。問い合わせは電話(11・97956・4079)まで。