ブラジル社会党(PSB)は22日、マルセロ・フレイショ下議とフラヴィオ・ジノ・マラニョン州知事の入党を正式発表し、両者は「打倒ボルソナロ」への決意表明をした。23日付現地紙が報じている。
PSBはこの日、ブラジリアで記者会見を行い、フレイショ氏、ジノ氏が共に、所信表明を行った。同党はこれにより、ルーラ元大統領を擁立する左派大連合の中軸の一つになると見られている。
以前は社会主義自由党(PSOL)を代表する政治家で、下院切ってのボルソナロ大統領批判の論客として知られるフレイショ氏は、「今こそ、国を混沌へと導く2度目の計画に断固として反対の声をあげ、ブラジル国民の命を救わなければならない」と同大統領再選に強く対抗する構えを見せ、「22年の選挙はこれまでの選挙の中で最も大切なものになる。ブラジルの民主主義は危機にさらされており、これが最後の選挙になるかもしれないくらいの危機感が必要だ」と力説した。
また、ブラジル共産党(PCDoB)から移籍のジノ氏も、「22年の選挙は、1988年の憲法制定以降の民主主義が問われる、非常に重要なものだ」と強調した。
この両氏の移籍を持って、PSBは左派政党としてボルソナロ大統領への強い意思表示を示したことになる。同政党は2014年に飛行機事故で亡くなったエドゥアルド・カンポス氏が大統領候補だった際、中道、中道右派への接近も行っていた。だが、2017年の社会保障制度改革をめぐって党内が分裂し、13人の保守寄りの下院議員を追放し「左派回帰」を行っていた。
ジノ氏はすでに、ルーラ元大統領(労働者党・PT)の副候補を有力視されているが、党内では、以前に同党所属でもあったもう一人の大統領候補シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)との連立を望む声もある。連立の正式発表は2022年になりそうだ。
一方、ルーラ元大統領は7月から、自身の票田である北東部への遠征を行う意向でいる。同氏はそこで、民主運動(MDB)やPSBとの結びつきを改めて強固にしておきたい考えのようだ。