新型コロナのパンデミックで失業者や所得が減った家庭が増えているが、パンデミックによって困窮している人達を守るため、上院が23日、家賃滞納が起きても借家人(借主)が追放されるのを防ぐための法案を承認したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同法案の救済対象は、家賃が月額600レアル以下の借家に住んでいる人達だ。ただし、家主にとって唯一の収入源がその家屋の家賃である事が証明された場合はこの限りではない。また、借家人もパンデミックのために収入が減って払えない事を示す必要がある。
商用家屋の場合は家賃の上限が1200レアルとなり、商業活動が停止しており、収益が上がっていない事を明示する必要がある。
上院では「家賃が払えないから、特別支援金の形で家賃分を補助する法案なら賛成するが、この法案は家主の権利を侵害しており、認め難い」といった声も出たが、低所得であった上に失業したりして所得が減少した人達を救済するためのものとの声がやや勝り、38対36の僅差での承認となった。
この法案は下院が作成したもので、下院で承認した後に上院に回されたが、上院が「農村部の家屋は対象から外す」との一文を加えたため、もう一度下院に差し戻され、審議・承認後に大統領裁可に回される。
家賃調整用の物価指数(IGPM)は30%以上上昇しており、なおの事、借家人の懐を圧迫している。