ブラジル国内の新型コロナの感染状況が悪化し、予防接種を加速するよう求める声が高まる中、米国がヤンセン社製のワクチン300万回分の寄贈を決めたと23、24日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
ブラジルでの新規感染者は15日に直近7日間の平均が7万人を超えたままで、23日には1日の新規感染者が過去最多となる11万5228人を記録。1日の平均は7万7328人となった。
感染状況悪化は、サンパウロ州では新規感染者の平均が1万7千人/日を超える状態が8日続き、1万7千人超えが2日だった4月より深刻といった24日の報道でも明らかだ。
その一方、新型コロナのワクチンの在庫が切れて接種を中止した市が増えている。初回接種を中心に接種を中止しているのは州都だけではなく、リオ・グランデ・ド・スル州では23日に60以上の市が初回接種を中止したという。23日に接種を再開したサンパウロ市でも、24日には100余りの保健所(UBS)でワクチンがなくなった。
保健省はワクチンが納品され次第、各州に送っているが、需供バランスが崩れている。需給バランスが崩れた事には、接種日程が異なるため、他の州や市に行って接種を受ける人が増えている事も影響している。ブラジルで使うワクチンは完成品や有効成分を輸入に頼っている事も原因だ。24日には世界保健機関傘下のコバックスファシリティによるラ米地区へのワクチン供給量が減るとの報道もあった。
それだけに、1回だけの接種で良いヤンセン社のワクチンの寄付は朗報だ。到着は25日で、ケイロガ保健相と米国大使館の代表がヴィラコッポス空港に出向いてワクチンを受け取る。