サンパウロ州のジョアン・ドリア知事が29日、新型コロナ感染症で家族を亡くした家庭に対し、月額300レアルの支援金を支給すると発表したと同日付現地サイトが報じた。
対象となるのは、連邦政府の社会支援登録システム(カダストロ・ウニカ)に登録されている、世帯所得が3最低賃金(3300レアル)以下の家庭で、家族の中で少なくとも1人がコロナ感染症で死亡したケースだ。亡くなった人は同居し、家族として暮らしていた事が条件で、父、母、祖父母、息子、娘などが考えられる。
同州政府は「家族を亡くした悲しみや痛みに加え、所得まで減少して苦しんでいる家庭を支援するため」として、7~12月の6カ月間、300レアルずつの支援金を支給する事を決めた。対象となる家族は、州全体で1100万世帯を超えると見られている。
サンパウロ州では28日現在で12万6112人が亡くなっている。直近7日間の新たな死者は1日平均で551人となっている。
29日に発表された支援は低所得家庭の遺族向けで、「十分でない事はわかっているが、少しでも助けになれば」と導入された。
サンパウロ州政府は17日にも、低所得世帯の人達が台所用のガスを購入するためのVale―Gasというプログラムを採用すると発表しており、こちらは7月以降、2カ月に1度、100レアルずつを支給する事になっている。こちらのプログラムは、1人あたりの世帯収入が178レアル以下の家庭10万世帯が対象となる予定だ。