サクラ中矢食品(ロベルト・マサヨシ・オオタケ社長)の前社長・中矢レナト健二氏が、サンパウロ州工業連盟(聖州工連、Fiesp)より同業界での評価や称賛に値する国内外の人物や機関に対し贈られる「産業功労賞」を受賞し、6月21日に授賞式が同連盟で行われた。
中矢氏が代表を務めるサンパウロ州菓子・保存食産業連合(SIDOCAL、Sindicato da Indústria de Doces e Conservas Alimentícias no Estado de São Paulo)での活躍が認められ、同賞が贈られることになった。
SIDOCALは聖州でマグロの加工食品や調味料、醤油、菓子類、缶詰などを製造する3000社以上からなる企業連。集団的労働交渉や、税金の見直し、持続可能性に関する問題改善に取り組み、同連合に係る業界のあらゆる利益を守ることを目的としている。
授賞式にはパウロ・スカフサンパウロ州工業連盟会長のほか、リカルド・ヌネス聖市長も出席。表彰状の授与には中矢氏の息子であるヘンリー氏が出席し、表彰状を受け取った。
中矢氏は1984年から2020年までサクラ中矢食品の社長を務め、経営改革に取り組み、ブラジルの醤油市場の8割、味噌市場は9割を占めるまでに成長させた。
同時にブラジル各地で醤油や味噌の販売キャンペーンを実施し、日系人以外には認知度がなかった醤油や味噌の普及にも貢献してきた。
2020年には同社が創業80周年を迎え、創業以来のノウハウを駆使して製造された高級醤油「さくら金」を開発し販売を開始した。この製品は独自の技術でグルテンや保存料、着色料を加えない無添加の醤油となっている。ニッパク紙の取材に対し、同氏は「日本にも前例のない商品と自負している」と胸を張った。
日本政府からもその功績を認められ令和3(2021)年の春の叙勲で旭日双光章を授章した。