【群馬県発=國分雪月記者】群馬県大泉町のブラジリアンプラザ(日本海外協会、林隆春会長)で26日に定例会が行われ、約20人が参加した。6月20日に一周年を迎えた「リスタート・コミュニティー支援センター」の活動を振り返り、今後の課題を話し合った。
昨年6月20日にブラジル人を中心とする外国人生活困窮者の一時的な保護、職業紹介を行う同リスタート・コミュニティーを開設し、今までに126人を受け入れた。開設当初はコロナ禍の影響による若い世代の失職者の利用が多かったが、段々と年齢層が上がり、就職口を見つけることが難しくなっている。
ほかにも家庭内暴力の被害者やアルコール依存症の人が利用するケースもあったため、精神病や依存症などの問題を抱える人への今後の対応を検討していく。
また、昨年9月からは同支援センター利用者の食糧確保のため、フードバンク活動をはじめた。フードバンク活動とは、企業などから飲食物の寄付を受け、生活困窮者に配布する活動のことだ。現在までに企業など9団体から約29トンの寄付を受け、約23トン配布した。
今月から毎週土曜日に食料が必要な世帯への配布もはじめ、本当に食料が必要か確認し食料を渡している。日本を含め11カ国の世帯が群馬県内だけでなく近隣の県からも受け取りに来るそうだ。12日は48家族、19日は80家族と増加傾向にある。さらに使用済みのランドセルの寄付を受け、必要な家庭に再配布している。
林会長は一年間を振り返り、「昨年は非正規の仕事の減少が問題となったが、今は高齢者向けの仕事の減少や生活の維持が問題となっている。日系社会の家族の孤立化も進み、外国人共同供養墓も作った。昨年はじめと現在で需要の変化があるため、次にどのような対応が必要かこの会で考えていきたい」と語った。
定例会後は支援センターで世話人を務めるキクタ・ペドロさんが一周年記念のケーキカットを行った。