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《ブラジル》ペルー由来の変異株に要注意=国内で3人の感染を確認=WHOが南米での流行警戒

2020年2月27日、ペルー保健省がパンデミックのために準備したコロナ緊急病院の様子(foto Minsa)

 2020年12月(一説では8月)にペルーで見つかった新型コロナの変異株Lambda(C37)が南米など29カ国に広がり、世界保健機関(WHO)が流行の可能性を指摘していると2、6、7日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
 C37は英国株(アルファ株)や南アフリカ株(ベータ株)、マナウス株(ガンマ株)、インド株(デルタ株)ほど騒がれておらず、現時点での南米や中米ではガンマ株による感染が最も多い。
 だが、ペルーでは今年4月以降の新規感染者の8割以上がC37によるもので、急速な感染拡大と医療崩壊などで100万人あたりの死者数(死亡率)が世界一高くなった。WHOは、南米や中米での感染の中心は近い内に同株によるものになり得ると見ている。
 C37感染者はアルゼンチンやチリでも増えている。アルゼンチンでは2月に同株による最初の感染を確認後、感染が拡大し、4月2日~5月19日の感染者では37%を占めている。ブエノスアイレス県では、40%が同株感染者だという。
 チリの場合は過去60日間の新規感染者の32%を占め、33%のマナウス株とほぼ同率だ。同国ではC37による感染者急増後の感染抑制が効かず、人口の半分弱が2度目の接種を受けた今も、医療崩壊に近い状態が続いているという。
 6月15日現在で同株感染者が出ているのはラ米7カ国を含む29カ国だ。ただ、南米は変異株判定が十分行われておらず、感染者がいる国はより多い可能性がある。

ペルーでの変異株発見や感染拡大について報じる6日付エスタード紙の記事の一部

 WHOは6月15日にC37を「関心のある変異株(VOI)」に加え、南米中心に研究を進める必要を訴えた。WHOは変異株を「関心のある」と「懸念される」の2種類に分けており、先に述べた四つの株は「懸念される変異株」だ。
 ブラジルでは3人の感染が確認されている。内2人はサンパウロ州在住者、もう1人はリオ・グランデ・ド・スル州在住者で、リオ・グランデ・ド・スル州の患者はコロナ感染症で亡くなった。
 リオ・グランデ・ド・スル州政府によると、亡くなった患者はアルゼンチンからの輸入型だ。ポルト・アレグレ市クリニカス病院の感染症医のアレシャンドレ・ザヴァスキ氏によると同州での患者確認はほとんど偶然といえるもので、国境付近を中心に、より多くの感染者がいる可能性があるという。
 同氏は、C37のスパイクたんぱく質の変異は「懸念される変異株」とは異なり、感染力の強さや致死率の評価には今後の研究が必要とした上、ブラジルではマナウス株による感染がC37による感染の急拡大を妨げているとの見解も表明した。
 他の研究機関の専門家は、ブラジルでのデルタ株の感染拡大に関して同様の見解を表明しているが、予防接種の実施率が低い中での新たな変異株流入は、感染第3波などを招く要因となり得る。
 サンパウロ市で確認されたデルタ株患者は自宅勤務で、外国旅行の経験も旅行者との接触もないため、市中感染の可能性が強まっている。サンパウロ州政府はこれを受け、アストラゼネカとファイザーのワクチンの接種間隔の見直しを考えている。

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