連邦議会で間もなく審議がはじまる郵便局民営化に関して、連邦検察庁のアウグスト・アラス長官が憲法違反だとして反対の意向を示していることがわかった。7日付現地紙が報じている。
郵便局民営化は、ボルソナロ政権にとっては電力公社エレトロブラスの民営化と並ぶ大きなプロジェクトのひとつだ。
経済省民営化特別局のジオゴ・マック・コルド局長が6日にグローボ紙に語ったところによると、郵便局は100%民営化される予定だという。
社会経済開発銀行(BNDES)によると、2020年の郵便局の純利益は15億レアルで2019年と比較して6%減少しているが、マック・コルド局長はBNDESから得た情報として、現状の郵便局のテクノロジーの遅れと生産性の低さ、競争力のなさを理由として挙げ、民営化の必要性を説いている。
同局長はさらに「憲法が定めるところでは、国が郵便サービスを保障しなければならないとあるが、国が明確な規定を定めて運営権を委譲すれば責任は果たせるし、国の管理下に置いておくよりもずっと効率的だ」との見解を示している。
アルトゥール・リラ下院議長も6日、郵便局民営化法案591/2021号が「7月中に下院での承認まで行くだろう」との見方を示している。
だが、連邦検察庁のアラス長官は6日、「ブラジル郵便電信公社(ECT)の民営化には反対である」とする声明を発表した。
アラス長官は、「憲法では郵便サービスと郵便物の空輸の民営化を認めていない」として違憲行為であることを主張。この見解は、郵便専門家協会(ADCap)が最高裁に提出した、違憲を問う直接訴訟(ADI)に関連したものとして示された。
同長官は、「大統領府の投資パートナーシップ計画(官民合同投資計画)審議会が定めた民営化規定は違憲」とするADCapの主張を認め、「経済的な活動に関する部分の民営化は可能だが、郵便サービスと郵便物の空輸の民営化は認められていない」との見解を再確認した。
検察庁は1週間前にも同様の見解を示していたが、最高裁で同件を担当するカルメン・ルシア判事の要請で、先の見解を批准する声明を提出する形となった。