ブラジル日本文化福祉協会(文協、石川レナト会長)は7月1日午前7時から、23日に開幕する東京オリンピック・パラリンピックを推進するためのウェビナーを開催し、山田彰駐ブラジル日本国大使とパウロ・ワンデルレイ・ブラジル五輪委員会(COB)委員長をゲストに迎え、文協ユーチューブでライブ配信を行った。ブラジルの元オリンピック代表選手も出演する中、山田大使は日本政府の立場からオリンピックの現状と取組みについて紹介し、ワンデルレイ委員長はブラジルの参加状況などについて説明した。
石川会長は開会のあいさつで、「昨年は在日ブラジル人コミュニティの30年を祝いました。現在は約21万人のブラジル人が日本で生活しています。このコミュニティはブラジル人選手がより多くのメダルを獲得するため、サポーターの秘密兵器となるでしょう。東京オリンピックでは皆で一緒に感動体験ができることを期待しています」
と述べた。
山田大使は、新型コロナウイルスの影響で1年延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、安全で安心な大会を実現することを強調した。東京大会のビジョン「史上最もイノベーティブで、世界にポジティブな改革をもたらす大会」実現のために、「持続可能な開発目標(SDGs)への貢献」「共生社会の実現」「ロボットなどの最先端技術の活用」を3本柱にして、使用済み家電でメダルを製造、表彰台は家庭のプラスチックごみから作るなどの様々な取組みがあることを挙げた。
「リオ大会には日本全体で声援を送ってきました。今度はぜひブラジルの皆さんから日本へ声援を送ってください。200万人といわれる日系人の方々の努力もあって、日本とブラジルは長い間友好関係を築いてきました。それはスポーツ分野も同じです。日本人はブラジル人に柔道を、ブラジル人は日本人にサッカーを教え、高めあってきたと言われています。その結びつきをさらに強くするため、昨年には日本政府とブラジル政府でスポーツと柔道に関する協力の覚書を締結しました」と大使は力説した。
パウロ・ワンデルレイCOB委員長は、1992年のバルセロナ五輪で柔道の金メダリストのロジェリオ・サンパイオさんのコーチを務めたことで知られている。
「今回のオリンピックに参加するブラジル人選手の数は、現時点で306人と過去最大を記録しています。パンデミックに入ってから、ブラジルはオリンピック開催延期を強く主張しましたが、開催を希望する思いは世界で一番です。メダルの獲得数も最高記録を更新するつもりです」とワンデルレイ氏は気合いを入れた。
ウェビナーには、ブラジル女子卓球チームの現コーチである小山ウーゴさんや元ブラジル女子バレーボール代表選手であるレイラ・バロス上院議員(ブラジル社会党:PSB)なども参加し、一年の延期からアスリートたちが待ち望んだオリンピックの開催に向けて、日系社会での機運を盛り上げた。
最後に石川会長は「本日のライブには元アスリートたちも出演してくださり、オリンピックに向けてポジティブな気持ちが大いに高まった」と締めくくった。