6月から開催されていたコパ・アメリカの期間中、外国人選手らが持ち込んだと思われる変異株が少なくとも1種類見つかったと12日付エスタード紙などが報じた。
国内での感染者確認は初めての変異株はB1.621と呼ばれ、コパ・アメリカに参加した選手やチームのスタッフなどで発生した新型コロナ感染症患者のサンプル解析を担当するサンパウロ市のアドルフォ・ルッツ研究所が検出した。同変異株はコロンビアで最初に見つかったもので、現在はカリブ海諸国や欧米諸国でも確認されている。
B1.261は、6月13日にマット・グロッソ州クイアバ市のアレーナ・パンタナルで試合を行ったコロンビアの選手とエクアドルの選手各1人のサンプルから検出されており、これらの選手(両方またはどちらか)や関係者が持ち込んだ可能性が濃厚だ。
外国人選手による変異株持込はブラジルでの大会開催が決まった時から恐れられていた事の一つで、サンパウロやペルナンブコ、ミナス・ジェライス、リオ・グランデ・ド・スル、リオ・グランデ・ド・ノルテのように、試合の受け入れを拒否する州も出た。
B1.621は、ガンマ株(マナウス株)やデルタ株(インド株)のように、感染力が強く、致死率も高い「懸念される変異株」ではなく、研究や観察が必要な「関心のある変異株」だ。
両選手のサンプルが解析に回されたのは6日、解析結果が出たのは10日だった。アドルフォ・ルッツ研究所は既にマット・グロッソ州と保健省にも国内初の変異株感染者確認を通達済みだが、同州政府や保健省がどのような措置をとるかは明らかにされていない。同研究所に送られたサンプル12個の内、新しい変異株感染者はこの2人だけで、残る10人はガンマ株に感染していた。
コロンビアはマット・グロッソ州の他、ゴイアス州やリオ州、連邦直轄区に赴き、ベネズエラ、ペルー、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイと対戦。エクアドルは同州でベネズエラ、ペルー、アルゼンチンと対戦した他、リオ州でブラジルと試合を行っており、追跡調査が必要だ。
ブラジル国内ではサンパウロ州だけでも21の変異株が確認されているが、コロンビア株は初めてだ。サンパウロ州内で確認された変異株はガンマ株が最も多い。
研究者達は、サンプルの送付が遅く、B1.621についての研究を進める事ができなかったと臍をかんだが、マット・グロッソ州保健局によると、サンプルが送られてきたのは6月23日で、いつ採取されたものかの連絡はなかったという。同保健局によると、コロンビア株に感染した選手達は無症状で、安全基準に従った隔離措置を行っているという。
コパ・アメリカは既に終了したが、同様の問題が起きないためにも、国際的なイベントでは、防疫上の安全基準などをより慎重に定める事と、関係者への周知、徹底が望まれる。大会中に感染した選手達は、PCR検査で陰性になるまで帰国する事はできない。