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《ブラジル》連警がコバクシン疑惑で大統領を捜査開始=気になるミランダ氏の録音

 連邦警察は、インドのコロナワクチン「コバクシン」の疑惑の契約に関して、ボルソナロ大統領が事前にそれを知っていたか否かの疑惑に関する捜査を12日からはじめた。12日付現地サイトが報じている。
 これは6月25日に、ルイス・ミランダ下議が上院のコロナ禍の議会調査委員会(CPI)で「3月20日にボルソナロ大統領が、保健省のコバクシン過払い疑惑に関して、(下院政府リーダーの)リカルド・バロス下議(進歩党・PP)が関与していることをすでに知っていたことを示唆するような発言を行った」と証言したことに由来するものだ。
 ミランダ下議とその兄弟で保健省ロジスティック部門勤務のルイス・リカルド氏は、インドの製造会社が提示していた単価の10倍以上の金額で2千万回分のワクチンを購入するとの契約に関し、輸入に際して必要な詳細を記したインボイスにサインするよう、保健省内で圧力がかかっていたことなどで生じていた疑惑を大統領に告発した。にも関わらず、適切な対処がとられなかった。そのことが公的な立場にある人物としての責任放棄または意図的不作為などに問われている。
 ミランダ下議たちによると、大統領はそのとき、「連警に捜査させる」と語ったが、連警への捜査命令は出ていなかった。また、購入契約は告発から3カ月以上たったCPIでの証言後に正式に差し止められた。
 また、疑惑では「契約書に記されていなかった4500万ドルの先払い」「契約書でのワクチンの回数の過少申告」「契約書には記されていなかったシンガポールの企業の仲介関与」なども疑惑の中に含まれている。

 この疑惑に関しては10日、ボルソナロ大統領がリオ・グランデ・ド・スル州のラジオ局の番組に出演した際、ミランダ氏に関して「会っていない」と言いかけたあとに、「彼はたくさんの要望をしてきた」と言及。「私は月に何人もの人と会うわけだから、これらの人の要望に全てこたえられるわけがない」と、コバクシン疑惑の黙認を認めたと取れる発言も行って、疑惑を深めている。
 さらに、ミランダ氏が3月20日に大統領に面会した際に行った録音もすでに聞かれているとの説も出ている。パウロ・ピメンタ下議(労働者党・PT)は9日、「ミランダ氏の録音を聞いた」とネット上で告白。「50分に及ぶ、実にくだらない内容だ。数週間のうちに明らかになるだろう」と発言した。また、サイト「アンタゴニスタ」も9日、「ミランダ氏の録音で大統領が口にしたのはバロス氏だけでなく、(PP党首の)シロ・ノゲイラ上議やアルトゥール・リラ下院議長(PP)の名前も出ていた」と報じている。
 CPIでは、オニキス・ロレンゾーニ大統領府総務室長官がミランダ下議らを批判したときに見せたインボイスなどに改ざんした痕跡があることなども確認されており、関係者を集めての対面証言も行われる見込みだ。
 ボルソナロ大統領に関する捜査は、連邦検察庁の意見書提出を受けたもので、最高裁からの捜査開始許可も出ていた。