リオ州では1~6月の死者の数が出生者の数を上回り、2003年の統計開始以来、初めてとなる人口減少が起きたと15日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
1~6月の死者数と出生者数を比べると、死者は9万9104人で、統計開始以来最多だった。この数字は、例年の平均より54・4%多く、昨年比でも13・1%多かった。2019年比では33・7%増となっている。
これに対し、出生者数は9万6416人で、例年の平均より13・6%少ない。昨年比では5・1%、19年比では13・1%減少しているという。
これにより、例年は平均で4万7408人の人口増を記録してきたが、今年は2688人の人口減となり、例年の平均を105・7%下回った。昨年比では119%減、2019年比では107・2%減だという。
ブラジル全体の1~6月の死者は95万6534人で、統計史上最多だ。この数字は例年の平均を67・7%、昨年の死者を37・3%、19年比では52・8%も多くなっている。
また、ブラジル全体の出生者は132万5394人で、平年より10%少なかった。昨年比では0・09%、19年比では8・6%減っている。
これらの数字の詳細は、登記所に届けられた出生と死亡、婚姻のデータをリアルタイムで集計している自然人登録協会(Arpen)の公式サイト(https://transparencia.registrocivil.org.br/inicio)で確認できる。
リオ州Arpen会長のウンベルト・モンテイロ・ダ・コスタ氏によると、死者数が出生者数を上回ったのは、新型コロナの影響だという。
リオ州は新型コロナ感染症による死者が全国で2番目に多く、15日現在の死者は5万7252人、死亡率も全国2位の3316人/100万人となっている。
出生者の減少も、妊婦が感染すると重症化したり、死亡したりする事が多く、コロナ禍で妊娠・出産をためらう人が増えた事が最大の原因だ。
同州での婚姻件数は3万1715件で、昨年の2万6549件を19・5%上回った。ただし、この数字も、19年との比較では22%少ない。
なお、9日には、リオ・グランデ・ド・スル州でも1~6月に人口減少が起きていたと報じられている。
★2021年5月7日《リオ州》4月は3度目の人口減少月に=パンデミックで様相に変化
★2021年7月15日《サンパウロ州》1~6月の死者は史上最多=出生者は例年比で12%減
★2021年4月14日《ブラジル南東部》死者数が出生数を超える?=4月初週に3地域で初事象発生