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《ブラジル》観光業界に回復の兆しも=パンデミック前水準にはほど遠いが

 観光業界が5月に昨年同月比で47・5%増となる96億レアルの売上を記録し、回復の兆しを見せ始めたと16、18日付現地紙、サイトが報じた。
 経済活動が回復に向かい始めている事は、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)が16日に、2~5月の国内総生産(GDP)は昨年同期比で9・7%成長した(ただし、その前の3カ月比では0・9%減)と発表した事でも明らかだ。
 だが、観光業の売上は19年5月と比べると31・2%少なく、パンデミック前の水準には戻っていない。
 サンパウロ州商業連盟(Fecomercio-SP)によると、5月の場合、19年5月を上回ったのは20%増を記録した水運業だけだ。売上の落ち込みが最も激しかったのは航空業界の50・5%減で、乗客数も43%減少した。

 レストランなどの飲食店や宿泊施設の売上も19年5月比で33・5%減の28億レアルで、文化、レクリエーション、スポーツ部門の33・8%減と同程度の回復に終わった。
 レンタカーや旅行会社の売上は19年5月比で13・2%減、バスなどの陸運も6・6%減で、パンデミック前の水準には戻りきれていない。
 それでも、予防接種の進捗に伴って感染者や死者が減れば外出規制が緩和され、安全な形での旅行も可能になるとの期待は商業や観光業、サービス業に共通している。
 FGVの調査では、月収9600レアル以上の人の7割は旅行や外食、映画鑑賞などにもっとお金を使いたいと考えているとのデータもある。ただ、この割合は所得が少ない人ではより低く、月収100レアル未満の人は12・5%だという。