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《ブラジル》コロナ禍CPI=保健省に月極賄賂疑惑も浮上=下請け業者が幹部らに贈賄か=渦中のバロス氏の保健相時代から

バロス氏(Jose Cruz)

 上院のコロナ禍議会調査委員会(CPI)は、下請け業者から保健省幹部や関係する政治家が月極の賄賂を受け取っていたとする、別名「メンサリーニョ」とも呼ばれる疑惑に関する調査を行う意向を見せている。この疑惑には、ボルソナロ政権の下院政府リーダーで、コバクシン疑惑の渦中にいるリカルド・バロス氏の名前があげられている。19日付現地サイトなどが報じている。
 メンサリーニョ疑惑は19日付のUOLサイトが報じた事であきらかとなった。それによると、この計画はバロス氏が保健相だった2018年にさかのぼり、その当時は5年間にわたって行われる見込みだったという。この疑惑は、保健省内の元女性職員など複数の人物が告発したことによって明らかになったという。
 この件はCPIには既に知らされており、6日にはオマール・アジス委員長の自宅で、反連邦政府派、独立派を招いての対策会議も行われている。
 この告発で問題となっているのは、VTCオペラドーラ・ロジスティカ(VTCログ)というロジスティック関係の企業だ。同社は2018年に、予防接種用ワクチンや医薬品などの保管と配布を20年間にわたって担当していた国立免疫生物学関連用品保管配布センター(Cenadi)が廃止されたことで、同センターに代わる機関として保健省との契約を交わした民間下請け企業だ。その告発内容では、同社の契約金の10%が毎月、賄賂に回されていたという。
 UOLが契約内容を入手したところによると、契約額は60カ月間、つまり5年間で5億9273万3096・15レアルに上っており、10%にあたる5927万レアルが賄賂に使われていたことになる。

 これを1カ月に換算すると、98万7888・49レアルが賄賂として定期的に払われていたことになる。証言者たちによると、そのうちの10%の9万8788・84レアルはロジスティック部の責任者ロベルト・ジアス氏にわたっていたという。ジアス氏は米国ダヴァティ社からアストラゼネカ・ワクチンの購買契約で「1回分につき1ドル」の賄賂を請求したと告発された直後に解任されるなど、問題の渦中にいる人物だ。
 また、その残りは29万6366・54レアルずつ、3人の政治家で分け合っており、その中にバロス氏が含まれているという。
 バロス氏は、保健省ロジスティック部のルイス・リカルド・ミランダ氏とその兄弟のルイス・ミランダ下議が、インドのコロナワクチン「コバクシン」を製造会社が提示していた単価の10倍の価格で購入するための書類に署名するよう、保健省内部で圧力がかけられたと告発した件で、6月25日のCPIで証言した際、「(不正購入契約の)背後にいる人物で、ボルソナロ大統領もそれを知っていた」と証言されている。
 一方、連邦会計検査院(TCU)も、保健省がVTCログ社に対して行った最新の追加の支払い(aditivo)は1890万レアルで、保健省の担当者がふさわしいとした100万レアルの19倍もの額となっていたとして、水増し請求の可能性を指摘している。この件に関する書類にサインした保健省の職員もCPIに召喚されたが、証言を行う日時はまだ決まっていない。