
世界銀行が発表した新型コロナ後の雇用に関する報告書によると、ブラジルやラ米諸国の労働者に対する新型コロナの悪影響は9年間残ると20日付伯字サイトが報じた。
ブラジルやエクアドルなどの中南米諸国の場合、大卒以上の人への影響は短期的なもので済むが、高卒以下の人への影響は9年間残るという。新型コロナは、失業者や非正規雇用者の増加、所得の減少といった形の傷跡を残すというのだ。
この報告書は6月に出たもので、新型コロナのような広域かつ長期の災害では失業保険がカバーできる人や範囲が限られている事にも言及している。
この件に関する記事を読んでいて、何かを作り上げていくには時間がかかるが、失ったり壊れたりするのはあっという間だし、一度失ったものを回復させるのは大変だとも考えさせられた。
長年積み立てた社会保障の資金を使える場面や期間が限定されている事もそうだが、信用や人間関係、財産なども、得るは難く、失うは易い。長年実績を積んできた人でも、たった一度の失敗や新型コロナのような出来事で信用や顧客を失う事はあり得るし、信用や顧客を回復させるのは容易ではない。些細ないさかいで離婚や絶交に至り、心身共に傷ついたまま生きていく人もいる。
自分の責任で起きた損失は、謝罪や努力などによって取り戻せるかもしれない。だが、新型コロナや地震といった災害で失った命は取り戻せないし、学業の機会を失った人や後遺症が残るような健康被害を受けた人は、将来も所得減額などの影響が残る。心の傷は推して知るべしだ。
新型コロナで家計を支える人を失い、食べる事や学業の継続さえ困難な子供や、失業で家賃などが払えなくなり、住む場所さえなくしかねない人などは、今後何年間も続く被害を被った人の一例に過ぎない。心身両面のケアや継続的な補助などの配慮も必要だ。(み)