リオ州保健局が22日夜、新型コロナのデルタ株(インド株)感染者4人が死亡したと発表したと同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
同州初の死亡確認として報告されたデルタ株感染者は、サンジョアン・デ・メリチ市在住で73歳の女性と同市在住で43歳の女性、ドゥッケ・デ・カシアス市在住で50歳の男性、居住地が未確認の53歳の男性とされている。
同州保健局は、「リオ州は最も広範に感染株の検査を行っている州の一つで、最後に発表された分析結果では、PCR検査で陽性判定が出た人の検体から抽出して分析した380の検体中、78%がガンマ株(マナウス株)で、デルタ株は16%だった」と説明。同州ではデルタ株による感染が広がりつつあるが、主流はまだガンマ株である事を明らかにした。
同州の場合、PCR検査で陽性となった人の検体を再分析するか否かはその人の症状などで決められるという。再分析する検体はより重症の人達を優先して選んでいるため、デルタ株への感染が判明した人達のその後を追跡調査した結果、4人の感染者が死亡していた事が確認されたという。
これらの情報を受け、同州保健局は23日、近い内に新規感染者の大半はデルタ株による感染者となる可能性があるとの見解も明らかにした。
ダニエル・ソランス州保健局長は、デルタ株は感染力が強いため、同株による感染が確認されている国の多くは、同株による感染が従来株以上の速度で広まっているが、致死率は他の株より低い可能性があると語った。
ただし、同株の致死率に関してはまだ、どの国も研究を進めている最中で、ワクチン接種が進んでいる事が致死率を下げている可能性もある。
同局長は、死者4人はリオ市以外の市に住んでおり、防疫対策が不十分だった可能性がある事を認めた。また、改めてワクチン接種をきちんと受けるよう要請した。
なお、保健省は23日、リオ・グランデ・ド・スル州でもう1人、デルタ株に感染した人が出ていた事が確認されたと発表した。