ジョイセ・ハッセルマン下議(社会自由党・PSL)が自宅内で、計5カ所の骨折などを追う怪事件が起きていたことがあきらかになった。ジョイセ氏はこのような重傷を負った記憶がないという。22、23日付現地紙、サイトが報じている。
これは22日にジョイセ氏自身が公表したことであきらかになった。それによると、ジョイセ氏は17日夜、ブラジリアの自宅で床の上で横たわった状態で目が覚めた。床に血痕があり、歯が2本折れており、体に痛みを感じたという。
ジョイセ氏は夫のダニエル・フランサ氏に助けを請い、ブラジリアの病院へ連れて行ってもらった。ブラジリア市内の病院で診察を受けた結果、鼻、顔、あばら骨に計5カ所の骨折があり、顎にも裂傷があることや、あちこちに内出血が起きていることが発覚した。
ジョイセ氏によると、床には無意識のまま7時間横たわっていたというが、なぜこのような状態に陥ったのかの記憶がまるでないという。「傷の具合から、転倒したとは考え難い。誰かに襲われたのだと思うが、証拠を示すことができない。(テレビを見ていた後の)記憶がない」と語った。
ジョイセ氏はすでに警察に捜査を依頼しており、サンパウロ市の自宅で雇っているボディガードを呼び寄せたという。「これからは武装して歩くつもりだ」と、ジョイセ氏は語っている。
このジョイセ氏の謎の負傷に関しては、様々な憶測が飛び交っている。ひとつは夫ダニエル氏による家庭内暴力説だ。ダニエル氏は神経外科医で、普段はサンパウロ市に住んでいるが、週末はジョイセ氏とともにブラジリアで過ごしている。
もうひとつ注目すべきは、ジョイセ氏の政敵の多さだ。同氏はボルソナロ大統領を支持し、下院政府リーダーをつとめていた時代も、左派、野党派の攻撃対象にされていた。だが大統領と喧嘩別れし、反ボルソナロ派に転じて以降は、大統領支持派からもしばしば、ネットリンチの対象にされ、「ブタ」などと罵倒されることが日常化していた。