ボルソナロ大統領が先週、ドイツの極右政党「AfD(ドイツのための選択肢)」所属で、ナチス・ドイツ政権の大臣の子孫である女性政治家と非公式に会っていたことが明らかになり、物議を醸している。AfDは2013年に結党したばかりだが、独連邦議会631議席中の92議席を占めるまでに躍進した右派政党。27日付伯字紙が報じている。
この女性政治家はベアトリクス・フォン・ストーチ氏で、先週、大統領府を訪れていた。この面会は大統領府の公式行事には含まれておらず、26日にベアトリクス氏が自身のSNSにボルソナロ氏と写った写真を掲載したことで明らかになった。
彼女の母方の祖父ルートヴィヒ・クロージク氏は、ヒトラーのナチス政権時代の財相を務め、ユダヤ人を排斥する法律にも携わっていた人物だ。ヒトラーの死後は首相代行も務めており、ニュルンベルク継続裁判(本裁判で裁かれなかったナチ戦犯を裁いた後続の法廷)の大臣裁判で有罪判決をうけて投獄されたが、冷戦時代に恩赦を受けて出所した。
ベアトリクス氏は大統領と「欧州の問題と自身の政治的挑戦について語り、感銘を受けた」という。
同氏は大統領の他にも大統領三男のエドゥアルド下議やビア・キシス下議とも面会を行っている。これに対してブラジル・イスラエル連盟やホロコースト博物館は抗議声明を出している。
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