ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》保健省も青少年への接種承認=ワクチンの接種間隔見直しも=サンパウロ州は接種計画の前倒し発表

《ブラジル》保健省も青少年への接種承認=ワクチンの接種間隔見直しも=サンパウロ州は接種計画の前倒し発表

接種間隔短縮が検討されているファイザー社製ワクチン(GEA/Divulgação)

 保健省が27日、新型コロナに関する国の予防接種計画(PNI)に12~17歳の青少年も組み込む事を認めた。青少年への接種開始は18歳以上の成人への初回接種終了後で、ファイザー社製ワクチンの接種間隔短縮もそれにあわせて決める意向だと27日付現地サイトが報じた。
 12~17歳の青少年へのワクチン接種の開始は州や市から要請が出ていたが、保健省が明確な方針を出さないため、ジルマル・メンデス最高裁判事が早急に検討するよう命じていた。青少年への接種承認は、州や市の保健関係者との会合の席で明らかにされた。
 ケイロガ保健相によると、12~17歳の青少年への接種開始は18歳以上の成人への初回接種用のワクチンの配布終了後で、高血圧や糖尿病、心臓疾患、肥満などの基礎疾患のある人や妊婦などが優先されるという。
 同じ席上で、成人向けの初回接種用ワクチンの配布が終わった時点で、ファイザー社製のワクチンの接種間隔を90日から3週間に短縮するか否かを決める事も明らかにされた。同社製のワクチンの接種間隔短縮は、デルタ株による感染拡大を抑制する策の一つとして検討されている。

 保健相の見解では、18歳以上の成人向けの初回接種は9月のはじめには終わる見込みで、この時点で接種間隔を3~5週間にすれば年内に接種完了となる人が増えると見ている。同社製のワクチンの説明書には適正な接種間隔は21日とあるが、デルタ株に対する効用は間隔が長い方が大きいとの説もある。
 他方、サンパウロ州政府は28日、従来は8月20日までの予定だった18歳以上への接種を同月16日までに済ませ、8月23日からの予定だった12~17歳への接種を同月18日から始めると発表した。
 28日発表の接種日程によると、8月5~9日が25~27歳、8月10~16日が18~24歳、8月18~29日が基礎疾患や障害のある人と妊婦、出産直後の人、8月30日~9月5日が15~17歳、9月6~12日が12~14歳となっている。ただし、接種日程は各市が定めたものが優先される。

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 サンパウロ市でのコロナワクチン接種は順調に進み、27日は20代を対象にした接種がはじまった。この日は29歳限定だったが、各接種会場には長蛇の列ができ、場所によっては2時間待ちのところもあったという。20代になると人口が多いので、時間がかかるのは仕方がないといったところか。ただ、20代への接種がはじまったことで、市内の成人が少なくとも1回目の接種を終えるめどが立ってきたことは事実。ファイザー・ワクチンの接種間隔を12週間から3週間にする案なども浮上してきているが、それがどうなるにせよ、11月の半ばまでには市内の成人が接種を完了させることには変わりはなさそうだ。