ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》上院コロナ禍CPI 来週から活動を再開へ=プレシーザ社が最初の焦点=マクシミアーノ社長は逮捕も?=疑惑の福音派牧師も召喚へ

《ブラジル》上院コロナ禍CPI 来週から活動を再開へ=プレシーザ社が最初の焦点=マクシミアーノ社長は逮捕も?=疑惑の福音派牧師も召喚へ

ランドルフ上議(Edilson Rodrigues)

 来週から再開するコロナ禍に関する議会調査委員会(CPI)では、インド製コロナワクチン「コバクシン」の不正契約に関与した疑惑をもたれているプレシーザ・メジカメントスの追及が行われる見込みだと、29日付現地紙などが報じている。
 7月後半は連邦議会が休暇に入るため、現在は議事堂での活動は行われていないが、2日からの議会再開に伴い、コロナ禍CPIも再開する。
 同CPIが来週進めようとしている案件は主に二つだ。ひとつはパラナ州の医療企業「プレシーザ・メジカメントス」の社長フランシスコ・マクシミアーノ氏の召喚だ。
 プレシーザ社は保健省とインドのバラート社の間のワクチン購入契約に仲介企業として参加していた。同社が仲介した契約は、2千万回分のコバクシンをバラート社がブラジル公館に通達していた単価の10倍もの価格での過払い契約の上、3月に保健省内で内部関係者に調印を強要するような圧力もかかっていたとする疑惑も告発されていた。
 これに加え、2020年にマクシミアーノ氏自身の口座に、プレシーザの系列グループ企業「グローバル・ジェストン・エン・サウーデ」から、税務局に行った申告額の80倍にあたる390万レアルが振り込まれていたことが27日付のグローボ紙の報道などで明らかになっている。
 この件に関して、ランドルフ・ロドリゲス副委員長は28日、「週明けにもマクシミアーノ氏の口座の凍結を行うか否かの投票を行う予定だ」と語っている。また、CPIがマクシミアーノ氏に加えて、プレシーザ、グローバル両社の資産の差し押さえを要請する意向であることも明らかにした。

 マクシアーノ氏は現在、8月4日に行う予定のCPIでの召喚を避けるべく、インドに滞在中との情報も流れている。これに対してランドルフ副委員長は、「召喚命令を無視して国外に出て、召喚に応じなかった場合は、マクシミアーノ氏の逮捕もあり得る」と語っている。
 プレシーザ社は、元保健相で現在は下院の連邦政府リーダーのリカルド・バロス下議との関係が深く、同下議自身もコバクシン疑惑に関与している疑いが持たれているため、マクシミアーノ氏の召喚には注目が集まっている。
 他方、CPIでは3日に、福音派牧師で非政府団体「人権問題全国事務局(Senah)」代表のアミウトン・ゴメス氏の召喚を行う予定でいる。Senahは米国企業ダヴァティを介したアストラゼネカ社のコロナワクチン4億回分の違法契約を保健省に勧めたり、南部の州や市、民間企業へのワクチン売却などを行おうとしたりしていた疑惑が持たれている。
 ダヴァティ絡みの商談では、アミウトン氏がボルソナロ大統領と直接交渉を行おうとした疑惑やミシェレ大統領夫人が関与した疑惑が、同社のブラジル販売員、ルイス・パウロ・ドミンゲッティ氏の携帯電話の通信記録から浮上している。
 ダヴァティ社はワクチンを所有していないことや、アストラゼネカ社が1月に、同社のワクチン交渉には仲介業者を入れていないことを明言する書類を政府に提出していたことも明らかになっている。
 またランドルフ上議は、捜査妨害を試みたとして、保健省の「クロロキン隊長」ことマイラ・ピニェイロ労務管理局長の更迭を求める意向も明らかにした。