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《ブラジル》昨年9月末の税収額を8月1日達成=経済回復の証拠か、インフレ懸念も

 サンパウロ州商業協会(ACSP)が設置している税収計(Impostômetro)が報じる今年の累計税収額が1日に1・5兆レアルを超えたと同日付現地サイトが報じた。
 連邦税と州税、市税の全てをあわせた累計税収額をリアルタイムで示す電光掲示板は、サンパウロ市中央部に設置されている。
 新型コロナのパンデミックで経済活動が一気に縮小し、雇用も国内総生産(GDP)も大幅な落ち込みを記録した昨年の場合、税収が1・5兆レアルを記録したのは9月28日だった。今年はこの大台を、昨年より約2カ月早い、1日未明に超えたという。
 ACSPは、税収が昨年以上のペースで増えている事に関し、今年は新型コロナの感染第2波によるロックダウンや外出規制などが続いたが、ワクチン接種が進んで経済活動が回復して来ており、生産、流通、消費などが昨年以上に活発に行われている証拠だと説明している。

 だがその一方で、インフレが進み、各種の産品やサービスの価格が上昇している事の反映という側面も否めない。
 ACSPは税収が1・5兆レアルを超えた事に関する文書の中で、12カ月間累計の広範囲消費者物価指数(IPCA)は8・6%、家賃などの調整に使う総合市場物価指数(IGP―M)は33%上昇している事にも触れている。
 インフレが高進している事に関しては、ジェツリオ・ヴァルガス財団ブラジル経済研究所(FGV/Ibre)も2日、7月第4週までの4週間の消費者物価指数(IPCS)は0・92%上昇し、12カ月間の累計は8・76%となったと発表している。