6月下旬、兵庫県ブラジル事務所(永田展之所長)は西森ルイス連邦下議による調整でパラナ州カルロス・マッサ知事とダルシー・ピアナ副知事を表敬した。同州と兵庫県の経済や様々な友好交流について話し合われ、井戸敏三兵庫県知事の親書を手渡した。
パラナ州政府は、同県との友好提携が昨年で50周年を迎えた記念事業として、同州高速道路に「道の駅」建設プロジェクトを立ち上げている。農業の6次産業化を図るために日本の「道の駅」に着目し、姉妹都市の兵庫県へ協力を要請していた。
「6次産業化」とは、農家が農業生産だけでなく、食品加工、流通、販売にも総合的に関わることによって、加工賃や流通マージンなどの今まで第2次・第3次産業の事業者が得ていた付加価値を、農業者自身が得ることによって農業を活性化させようという考え方。
同州の「道の駅」建設プロジェクトは5月に開催された「第5回地域経済発展国際フォーラム」で発表され、日本の「道の駅」のように生産者が作物を持ち寄り販売するモデルを参考にしている。
マッサ知事はフォーラムで「交通量が多い高速道路に、今までこうした販売場所が無く、生産者はこれまで多くの消費者を得る機会を失っている。小規模農家をはじめとする地域振興に繋げたい」と発表している。
西森ルイス連邦下議が同日の表敬への調整を行い実現したもので、兵庫県と同州の友好や経済などの様々な交流について意見交換が行われた。
兵庫県ブラジル事務所は現地事務所の利点を活かし、県と州やブラジルの懸け橋として活動を続けており、こうした「草の根」の交流が日系社会をはじめブラジル社会からも信頼を得ている。
7月19日からはパラナ州との共催で「道の駅」や「パラナ州の農業向上」をテーマにしたセミナーを、同州内の農業関係者限定で順次開催していく。現在コロナ禍で訪日が難しいためセミナーで州関係者や農業関係者に「道の駅」についての周知を図る。
セミナーでは同州への地域開発を促進する情報紹介と共に兵庫県の特産品を紹介するなど、ブラジル社会発展への貢献と兵庫の広報と双方へのメリットとなる相互交流を目指していくという。