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《サンパウロ州》コロナ禍=ボツカツ市の入院患者激減=ワクチンの一斉接種の効果で

一斉接種で入院患者が84・5%減ったと報じる2日付G1サイトの記事の一部

 新型コロナのような感染症はある程度のスピードでワクチン接種を進める事で感染拡大抑制効果がより高まるが、5月に実験的な一斉接種が行われたサンパウロ州ボツカツ市では、コロナ感染症による入院患者が2カ月間で84・5%減少したと2日付G1サイトなどが報じた。
 ボツカツ市での一斉接種は、オックスフォード大学とアストラゼネカ社が開発し、オズワルド・クルス財団(Fiocruz)が生産しているワクチンを使ったもので、5月半ばに初回接種が行われた。
 同市では一斉接種後6週間で新規感染者が71・3%減少した事が6月末に報じられていた。今回は、6月2日以降の集中治療室(UTI)や一般病室への入院患者激減という形の効果が発表された。
 コロナ感染症による入院患者の推移は、6月2日97人、同12日70人、同19日57人、同26日54人、7月4日45人、同9日39人、同17日27人、同25日22人、同31日15人となっている。
 同市市役所によると、一斉接種の効果はピーク時の入院患者97人が2カ月間で15人に減少した事だけでなく、新規感染者の7日間平均でも確認できるという。
 新規感染者の7日間平均は、5月16~22日92人、5月23~29日91人、5月30日~6月5日93人、6月6~12日141人となった後、6月13~19日73人、6月20~26日40人、6月27~7月3日27人、7月4~10日19人、7月11~17日20人、7月18~24日20人となっている。

 7月25~31日については、7日間平均が前週比で24・6%増の25人になっているが、それでもなお、ピーク時と比べると82・7%減少している。
 同調査のコーディネーターでサンパウロ州立大学教授のカルロス・フォルタレーザ氏によると、新規感染者が減少している事と入院患者の減少は密接に関係しており、医療システム崩壊が回避されれば、死者減少にもつながるとしている。
 ボツカツ市での一斉接種はまだ初回接種しか行われていないが、接種から2週間位経ってある程度の抗体ができれば、6月後半から感染拡大抑制効果が表れ始めるとみられていた。
 同市保健局長のアンドレ・スパダロ氏は、7月25~31日に新規感染者の7日間平均が増えた事は、「接種後もマスクの着用や手指の消毒、社会的な距離の確保といった防疫対策を緩めてはならないとの警告だと受け止めている」と語った。
 第2回目の接種は8月8日から始まる事になっており、スパダロ氏も、より強固な抗体ができる事で感染拡大抑制効果はさらに強まるが、デルタ株による感染拡大を防ぐためにも防疫対策は継続すると語っている。
 同市の場合、成人人口の83・7%が初回接種を受けている。一斉接種前にコロナバックの接種を受けた人のように、2度の接種を受け終えた人も24%いるが、この割合は8日以降、さらに高まる事になる。

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