東京在住のアメリカ人女性、豊田ラショーン(36歳)さんが、在留外国人がより簡単にコロナワクチンを接種できるよう、多言語で情報を共有するためのサイト「Find a Doc, Japan!(ファインダ ドック ジャパン!)を6月13日に開設した。
同サイトは日本国内で新型コロナワクチン接種の当日キャンセルが出た枠を接種希望者へ回しているクリニックを、誰でも登録・変更・配布できるオープンソース形式で医院のデータベース公開している。
現在、サイトの言語は日本語・ポルトガル語等も含む19カ国語に対応しており、医院登録数も100を超える。医院の情報は院名や所在地のほか「接種券の必要・不用」「市町村内の在住者のみの制限の有無」も確認できる。
パンデミック終息後には「多言語対応可能なクリニックや病院のデータベースを作っていきたい」とラショーンさんは展望を語る。曰く「来日して間もない人は医者を探す事や『困っている』と伝える事に大きな不安を感じている」のだという。
中には不安で医療機関を受診しない人、ネットで調べた病院に何時間もかけて通院する人もおり「外国人居住者や旅行者が近くのお医者さんを簡単に見つけられるよう、多言語対応の医療専門家の情報をまとめておくのはとても助けになると思います」と頷く。
コロナ禍での英語による情報の入りやすさについて「他言語に比べて得られる情報が多い傾向ですが、ワクチン接種のキャンセル待ちの登録先や、区外での接種方法など、日本人にも難しいように感じます」という。同サイトのアクティブユーザーの半数以上は日本語話者だという。
ラショーンさんはアメリカのメリーランド州から日本に移り住んだのは約10年前。以前は英語教師をしており、SNSで日本の生活習慣や公共サービスの違いなども発信してきた。
パンデミックとなり、まだ乳児の子供への健康リスクを心配して退職。プログラミング学校「コードクリサリス」のCTOヤン・ファンさんの誘いを機に、3カ月間集中的にプログラミングを学び、同サイトを立ち上げた。
立ち上げ後、ツイッターでプロジェクトを知った人達が「協力したい」続々と名乗り出て、3日で17カ国語の翻訳ボランティアが集まった。2週間目に、エンジニア職への初転職で世話になった大手IT企業のエンジニアへ協力を仰ぎオープンソース化してからは、世界中のエンジニアがボランティアとして参加しているという。
同サイトの日本語ページは(https://www.findadoc.jp/ja)、ポルトガル語ページは(https://www.findadoc.jp/pt)からアクセスできる。