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JH=窓からみた文明を展示=キュレーター「日伯の違いを感じて」

サザエさんからは昭和の生活における窓の関わりを垣間見る事ができる

サザエさんからは昭和の生活における窓の関わりを垣間見る事ができる

 聖市のジャパン・ハウス(JHSP、エリック・アレシャンドレ・クルッグ館長)2階で6月29日(火)から8月22日(日)まで、『WINDOWOLOGY:窓学 窓は文明であり、文化である』展が開催中だ。
 これは世界3都市を巡る企画展。手仕事、環境、茶室、現代住宅などといったテーマを9つにわけ、図面や模型、写真や映像、漫画や文学作品などを通して窓の存在に迫る。日本一窓が多いという茶室『擁翠亭』の図面を等身大模型に組み立てた展示もある。
 「窓は文明であり、文化である」の思想のもとに、様々な角度で窓を研究する「一般財団法人窓研究所」が企画し、建築史家・建築評論家の五十嵐太郎氏が監修と特別キュレーターを務める。
 JHSPを介して五十嵐氏にブラジル開催に関しての期待を質問すると、「窓には建築の違いだけでなく、文化や慣習の違いも反映されます。展示を通じて、様々な文化が入ったブラジルと、日本の窓との違いを知ることができる。それぞれの窓の特徴を改めて考えるきっかけになれば」とのこと。
 海外向けに日本の建築における窓の特徴を色々な形で紹介しているという同展。一つ目の展示拠点は人種の坩堝ともいえる米ロサンゼルス、続いてサンパウロでの開催。
 日系人も多いブラジルではどういった点に着目すると良いかを聞いたところ、「日系の方が多いということで、ブラジルで日本の窓や開口部が継承されているか、あるいはどのように変化したかなどを考えながら見ていただくとよいと思います」と説明する。
 「様々な振る舞いや行為、アクティビティが集中する」という窓。図面や模型、写真では伝えきれない窓と人との関わりを、展示では漫画や文学を通じて紹介。障子では影絵遊びの場、開口部とセットになった縁側は、近隣とのコミュニティーの場に変化。「漫画『サザエさん』に描かれたエピソードは、実は現代の日本人にとってもすでに失われたものも含まれています」と説明した。
 JHSPでは同展のほか、オリンピックに関する展示も行われている。入場料はいずれも無料だが入場人数に制限があるため、専用予約ページ(https://agendamento.japanhousesp.com.br/agendamento)からの事前予約を推奨している。