中央銀行の通貨政策委員会(Copom)が4日、経済基本金利(Selic)を1%ポイント引き上げ、年5・25%としたと4、5日付伯字紙、サイトが報じた。
今回のSelic引き上げは前回会議直後から示唆されており、市場関係者も予想していた。これは、伯国でのインフレ高進に歯止めがかからないためだ。Selicは経済活動が低下している時は融資利用などを促す意味で切り下げられ、インフレ高進時は通貨の流通量を抑えたりするために引き上げられる。
今回のSelic引き上げは4会議連続だが、これまでの3回は0・75%ポイントずつの引き上げだった。今回は、12カ月累計の広範囲消費者物価指数(IPCA)が8・35%で、政府目標上限の5・25%を大幅に上回っている事を受け、1%ポイント引き上げられた。
インフレが政府目標の上限を超えると中銀はインフレを押さえ込むための抑制策を提示しなければならないが、Celic調整の効果は半年前後経ってからしか確認できないため、今回の引き上げでもインフレ抑制には不十分と見られている。
この事は、2日に発表された金融機関を対象とする経済の動向予測調査「フォーカス」が、年末時点のSelicを7%と予測している事などからも明らかだ。また、中銀も、今回の会議直後に持たれた会見で、9月21~22日に開催する会議でも1%ポイントの引き上げを行う意向を明らかにしている。
ただ、現在の伯国はコロナ禍による経済活動の落ち込みからの回復途上で、企業家などからは、Selic引き上げが経済活動の回復を遅らせるとの声も出ている。