中央銀行が5日、コロナ禍に伴う緊急支援金の支給継続や経済基本金利(Selic)引き上げで、ポウパンサ(貯蓄預金)の残高が4カ月連続で増加中と発表したと同日付現地サイトが報じた。
中銀によると、7月のポウパンサの預金額は引き出し額を63億7千万レアル超えた。ポウパンサの利率はSelicの70%だから決して大きな額ではないが、Selicが低率の時は短期では最も条件がよいとされている。ポウパンサはブラジルでは最も伝統的な貯蓄方法で、口座においておく期間の制限がなく、出し入れも簡単だ。
中銀によると、7月の残高増は昨年同月の281億4千万レアルよりは小さいが、預金額が引き出し額を上回る状態は4カ月続いている。支援金を受け取った人が貯蓄を切り崩すのを止めたり、引き出しを控えたりしているのを反映していると見られている。
ただ、緊急支援金が一時的にとまった事や、感染第2波で外出規制が強まった事、失業率が高止まりしている事などもあり、昨年12月末日の残高と比べた場合はまだ、101億6千万レアル減となっている。1~7月の残高減は2019年同期の161億レアル減に次ぐものだという。
中銀によると、7月の残高が増えた最大の原因は緊急支援金の支払い再開だ。連邦貯蓄銀行は緊急支援金をデジタルのポウパンサの口座に振り込んでおり、支援金支払い時には自動的にポウパンサの残高が増える。
緊急支援金の支給額は150レアル、250レアル、375レアルのいずれかだが、連邦政府は家計を支える女性への支給件数追加を決めており、ポウパンサの残高増はまだ続きそうだ。