新型コロナのパンデミックで観光業などの経済活動が停滞した地域や自治体が沢山あるが、国内有数の観光都市リオ市では、様々な団体が市内各所での大型イベントを開催する事で、観光業界と地元の経済を活性化しようと取り組んでいると3日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
イニシアチブをとっているのは同市での観光やイベントを刺激する事を目的とする民間の非営利団体「リオ・コンベンション&ビジターズ・ビューロー(Rio CVB)」だ。
参加を申し出ているのはブラジル・バール・レストラン協会(Abrasel)、リオ・バール・レストラン組合(Sindrio)、ブラジル・オリンピック委員会(COB)、ブラジル・パラリンピック委員会、リオ市投資促進および誘致機関(Invest・Rio)の諸機関だ。
各機関は各々の得意分野で、リオ市を中心に展開できるイベントを企画する。例えば、COBやパラリンピック委員会がリオ市を国内外のスポーツ大会の会場として売り込み、リオ五輪用の施設の有効利用を試みれば、Invet・Rioはイベントを実現するためのスポンサーを募るといった形で協力できる。
2019年にリオ市で開催されたイベントは300以上あり、100万人以上が同市を訪れた。同年の観光関連の収益は10億レアルを超えていたが、2022年に開催予定のイベントによる収益は3億レアル程度に止まっている。
2020年の場合、各種の会議や見本市は19年の334件を80%以上下回る54件だった。
リオ市では9月までには成人層の77%が初回接種を終え、接種完了者(2回接種または1回のみでよいワクチン接種)も45%に上る見込みだ。この通りなら、同市では9月2日から「再開」記念イベントを開催する予定だ。再開は、9月2日と10月17日、11月15日を区切りとし、3段階で進める。
9月はまず、オープンスペースやスタジアムなどを、接種完了者限定で50%まで開放する。11月15日の第3段階では全市民の75%が接種完了の見込みで、公共交通機関と医療機関以外は社会的な距離の確保やマスクの着用も義務ではなくなる予定だという。
他方、リオ州のクラウジオ・カストロ知事は3日、マルセロ・ケイロガ保健相やジルソン・マシャード・ネット観光相と、予防接種計画の前倒しや観光業の活性化について話し合った。
ケイロガ保健相はリオ州での予防接種が順調に進んでいる事を歓迎し、「予防接種計画の前進と検査能力向上を目指す」と明言。リオ州知事がワクチンの追加配布を求めた事も明らかにした。
カストロ知事は、デルタ株による感染拡大は懸念事項だが、感染抑制のため、予防接種を積極的に続けると約束した。
マシャード観光相は、リオ州は国内外からの観光客受け入れの玄関口とした上で、安全な観光再開のための協働を約束。州観光局も、同州内陸部での観光面の需要が6月30%、7月60・4%と伸びているとし、安全な観光再開に努める事を約束した。