地理統計院(IBGE)と国家配給公社(Conab)が10日、今年の穀物収量予測を発表した。IBGEは過去最高だった昨年を0・8%上回る2億5610万トン、Conabは昨農年比で1・2%減の2億5400万トンと発表したと10、11日付現地紙、サイトが報じた。
IBGEの収量予想は4月以降、下方修正続きだが、それでもなお新記録達成と見ている。下方修正は、干ばつで大豆の作付が遅れた事でトウモロコシの作付が遅れた上、生育期間中も雨が少なかった事などを考慮したものだ。
他方、作付面積が昨農年比で4%拡大したにも関わらず、Conabの予想が下方修正されたのは、干ばつによる生産性低下などが主な理由だ。
Conabの予想は、前年8月から当該年7月までの農年単位で、IBGEとは視点が異なるが、干ばつの影響配慮は両者に共通している。IBGEの予想は今後も下方修正される可能性がある。
ただ、消費者にとって気になるのは、干ばつによる収量の増減だけではない。6月末から3度も起き、農作物にも広範囲で損失を生じさせた寒波の影響も甚大だからだ。
専門家は、今回発表された収量予測ではまだ、寒波の影響は一部分しか反映されていないと見ている。寒波による影響をより強く受けたのはコーヒーやトウモロコシなどだ。Conabでは現時点でも、トウモロコシの収量は年間で15・5%減ると見ている。
トウモロコシの収量減は価格と共に、それを餌とする家畜の肉や卵の価格にも影響する。寒波の影響は小麦などにも出るとみられ、食品価格が高騰した状態が続く見込みだ。