半世紀にわたり、ブラジルを代表する俳優として活躍したパウロ・ジョゼ・ゴメス・デ・ソウザ(通称パウロ・ジョゼ)が11日に亡くなった。84歳だった。12日付現地紙が報じている。
パウロは1937年にリオ・グランデ・ド・スル州で生まれ、60年代初頭にサンパウロ市に転居。そこで劇団員としての活動をはじめた。演劇の世界で賞をとる活躍をする傍ら、この時代から積極的に映画出演を行い、この当時の映画の芸術運動だった「シネマ・ノーヴォ」にも貢献。黒人の名優グランデ・オテロ主演の名作「マクナイーマ」などが代表作となった。
1969年からはグローボ局の「ヴェウ・デ・ノイヴァ」を皮切りに、テレビドラマにも出演しはじめ、72年の「オ・プリメイロ・アモール」でのシャザン役で茶の間の人気者となった。
これ以降、テレビでは「ガブリエラ」(1975年)、「オ・テンポ・エ・オ・ヴェント」(85年)、「チエタ」(89年)、「ヴァンプ」(91年)、「JK」(06年)などの人気作に出演。映画では南米の世界的映画監督エクトル・バベンコの「オ・レイ・ダ・ノイテ」(75年)に主演したほか、近年でも「キンカス・ベーロ・ダグア」(10年)、「オ・パリャッソ」(11年)などの人気作出演で知られた。
ここ20年ほどは、パーキンソン病を抱えながら活動を継続。ここ3週間ほどは肺炎を患っていた。
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