新型コロナに感染し、サンパウロ州ソロカバ市の医療施設に30日間入院した後に亡くなった女性の娘は、母が夢に現れて日記を探すように言われた。その通り日記を必死で探していたところ、母の死後に病院から届いた品の中に本当に日記があり、母の言葉に大きな慰めを見出していると12日付G1サイトなどが報じた。
新型コロナと戦う毎日や家族への思いなどを込めた日記を書き残したのは、ソロカバ市エデンの緊急診療所(UPA)とサンタカーザ病院で30日間闘病の後、6月28日に亡くなったマリア・セリア・ダ・クーニャ・デ・オリヴァイラさん(52)だ。
マリアさんは15日間UPAにいたが、病状悪化で、6月12日にサンタカーザ病院の集中治療室(UTI)に移った。
マリアさんの娘のマリアネ・アウヴェス・デ・オリヴァイラさん(30)は、転院する前日に母が夢に出て、「あなたへのメッセージを日記に書いておいたから必ず見つけてね」と言われた。
マリアネさんは早速UPAに行って日記を探したが、UPAでは何も見つからなかった。次にサンタカーザ病院にも出向いたが、毛布を1枚手渡されただけで、自分が母に毎日書き送っていた手紙も戻ってこなかった。
マリアネさんは2度病院に足を運んだが、何も手渡してもらえなかったため、マリアさんが亡くなった翌日、再び病院に行き「自分が書き送った手紙と母の日記を渡してくれるまで帰らない」と言い張った。
こうしてようやく見つかったのが「マリアネへ」と書かれた母の日記だった。15ページほどの日記には、日付や世話をしてくれる看護師の名前、病院での毎日、真夜中も休まず働く医師や看護師を思いやる言葉と共に、マリアネさんや家族への思いや助言、これまでの歩みを振り返って思い起こした事柄、祈りの言葉などが事細かく記されていた。
母を失い、呆然としていたマリアネさんとその家族は、母の愛がこもった言葉に触れ、慰められると共に、マリアさんが本当に強い人であった事や彼女が敢然と病と闘っていた事などを感じて励まされたという。
マリアさんは転院前日のビデオ通話で、酸素吸入のマスクまで外して見せた。だがその翌日かかってきた電話の向こうからは、マリアさんの病状悪化と転院が必要と告げる医師の声しか聞けなかったという。
マリアネさんの親族には、コロナ感染症で亡くなった人がマリアさん以外にも3人いるという。
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