連邦貯蓄銀行(Caixa)が今月、昨年の勤続期間保障基金(FGTS)の収益の96%をFGTSで退職金を積み立てている労働者の口座に払い込むと17日付現地サイトが報じた。
FGTSは一般企業とCaixaの資金によって創設された基金で、企業負担による退職金積立制度でもある。
FGTSは創設資金や積み立てられた退職金を元に貸し付けを行い、収益を得ている。2020年はこの収益が84億6700万レアルに及び、96%相当の81億2900万レアルが労働者に還元される。収益の96%を労働者に還元する事は、17日の審議会で承認された。同審議会は政府と企業、労働者の代表からなっている。
FGTSに口座がある労働者の基金は、年3%の固定収益分と利益の分配分が上乗せされていく。昨年分は固定収益と利益の分配分で計4・92%になる見込みだ。労働・社会保障省と経済省によると、昨年のインフレ率は4・52%だったから、今回の配当は実質0・4%だという。
配当金は8月31日までに各労働者の口座に振り込まれる事になっており、この日を過ぎれば、FGTSのサイトか、専用アプリで振り込まれた額を確認できる。
配当金の額は前年の12月31日の残高に基づいて計算される事になっており、今回は1億9120万人に分配される。
2017~18年の配当金は収益の半分だったが、2019年に全額配布とする法案が提出された。だが、大統領が拒否権を行使し、全額配布はなくなった。昨年の還元額は66・2%相当の75億レアルで、今年は96%が還元される。